あおいきといき【青息吐息】
非常に困ったときや、きわめて苦しいときに発する元気のないため息。また、そのようなときの状態をいう。大きな心労・苦労があるとき、心身ともに疲れ果て、苦しそうな息づかいをすることから。▽「青息」は苦しいときの息。青ざめて息を吐くからとも、大息おおいきの転からともいう。「吐息」はため息。「―息」の熟語を重ねることで語調を整え、意味を強めたもの。
あびきょうかん【阿鼻叫喚】
非常な辛苦の中で号泣し、救いを求めるさま。非常に悲惨でむごたらしいさま。地獄に落ちた亡者が、責め苦に堪えられずに大声で泣きわめくような状況の意から。▽「阿鼻」は仏教で説く八熱地獄の無間むけん地獄。現世で父母を殺すなど最悪の大罪を犯した者が落ちて、猛火に身を焼かれる地獄。「叫喚」は泣き叫ぶこと。一説に八熱地獄の一つの大叫喚地獄(釜かまゆでの地獄)の意。
いたいどうしん【異体同心】
肉体は違っても、心は一つに固く結ばれていること。関係がきわめて深いたとえ。身体は異なるが、心は同じという意から。特に、夫婦や非常に親しい人の間柄に多く用いる。
いちいたいすい【一衣帯水】
一筋の帯のように、細く長い川や海峡。転じて、両者の間に一筋の細い川ほどの狭い隔たりがあるだけで、きわめて近接しているたとえ。▽「衣帯」は衣服の帯。細く長いたとえ。「水」は川や海などをいう。
いちじょうのしゅんむ【一場春夢】
人生の栄華が、きわめてはかなく消えてしまうことのたとえ。ひとときだけの短い春の夜に見る夢の意から。▽「一場」はその場かぎり、ほんのわずかの短い間の意。
いちじんほっかい【一塵法界】
仏語。きわめて小さなちりの中にも、法界、すなわち宇宙全体が備わっているということ。
いちにんとうせん【一人当千】
非常に大きな力や実力があること。きわめて勇気のあること。一人の力が千人の力にも匹敵する意から。▽「千」は「ぜん」とも読む。「一人いちにん、千せんに当あたる」と訓読する。
いちぼくいっそう【一木一草】
一本の木や一本の草まですべての意から、そこにあるすべてのもののこと。また、わずか一本の木と一本の草の意から、きわめてわずかなもののたとえ。▽「一草一木いっそういちぼく」ともいう。
いちようらいふく【一陽来復】
冬が終わり春が来ること。新年が来ること。また、悪いことが続いた後で幸運に向かうこと。陰の気がきわまって陽の気にかえる意から。▽もと易えきの語。陰暦十月は坤こんの卦かにあたり、十一月は復の卦にあたり、陰ばかりの中に陽が戻って来たことになる。「復」は陰暦十一月、また、冬至のこと。
いちるせんきん【一縷千鈞】
一本の細い糸で、千鈞もの重量を吊るす意から、きわめて危険であることのたとえ。