えんぴぎょやく【鳶飛魚躍】
万物が自然の本性に従って、自由に楽しんでいることのたとえ。また、そのような天の理の作用のこと。また、君主の恩徳が広く及び、人々がその能力などによって、それぞれ所を得ているたとえ。鳶とびが空に飛び魚が淵ふちにおどる意から。▽「鳶とび飛とび魚うお躍おどる」と訓読する。
えんぼくのけいちん【円木警枕】
苦労して懸命に勉学に励むたとえ。また、物事に精励して寝る間も惜しむこと。眠り込んでしまわないように、すぐ転んで目が覚めるようにした丸木の枕まくらの意から。▽「警枕」は眠り込まないようにした枕。軍中などで使われた。
えんまんりゅうらん【衍曼流爛】
はびこり広がること。多く悪などがはびこることにいう。▽「衍曼」は限りなく広がりはびこるさま。蔓延まんえんするさま。「流爛」は布しき散る、散り散りにはびこる意。「曼」は「漫」とも書く。
おうこうかっぽ【横行闊歩】
気ままに威張って歩くこと。また、思うままに振る舞うこと。多く悪人についていう。▽「横行」は気ままにのし歩くこと。また、ほしいままに振る舞うこと。「横」はほしいまま、道理にもとる意。「闊歩」は威張って堂々と歩くこと。
おうごんじだい【黄金時代】
もと古代ギリシア・ローマで、人類の歴史を金・銀・銅・鉄の四時代に分けたその第一の時代。幸福と平和に満ちた理想の時代。一般には文化や勢い、栄光などの最盛期をいう。
おうばんぶるまい【椀飯振舞】
⇒ おおばんぶるまい(大盤振舞)
おうびょうよやく【応病与薬】
人の性質や素質、理解力など状況に応じて適切な指導をすること。また、状況に応じて適切な措置を講じること。病状にあわせて、それに適した薬を与える意から。▽もと仏教語。「病やまいに応おうじて薬くすりを与あたう」と訓読する。
おおばんぶるまい【大盤振舞】
盛大にごちそうしたり、気前よく物を与えたりすること。▽「大盤」は、高貴の人の家などで食べ物を入れた器を載せる台の意。もとは「椀飯振舞おうばんぶるまい」と書き、「椀飯」は椀わんに盛った飯をすすめる意。また、王朝時代には宮中で供せられる膳ぜん、江戸時代ごろには民家で正月に親戚しんせきなどを招いて、宴会を催すことをいった。「大盤」はこの「椀飯」の字から転じて、慣用化したものとされる。
おかめはちもく【岡目八目】
事の当事者よりも、第三者のほうが情勢や利害得失などを正しく判断できること。囲碁から出た語。碁をわきから見ていると、実際に打っている人よりも、八目も先まで手を見越すという意から。▽「岡目」は他人がしていることをわきで見ていること。「目」は碁盤の目の意。「岡」は「傍」とも書く。
おんじゅうとんこう【温柔敦厚】
穏やかでやさしく、情が深いこと。もと、孔子が儒教の基本的な古典で、中国最古の詩集である『詩経しきょう』の教化の力を評した語。『詩経』の詩篇は古代の純朴な民情が素直に歌われたもので、人を感動させ、教化する力をもっていると説いたもの。▽「温柔」は穏やかで柔和なこと。「敦厚」はねんごろで人情深いこと。