いちじさんらい【一字三礼】
敬虔けいけんな態度で写経すること。また、そのような態度で写経せよという教え。▽写経するとき、一字書写するたびに、三度仏を礼拝したことからいう。
いっとうさんらい【一刀三礼】
仏像などを彫る態度が敬虔けいけんであること。仏像を彫刻するとき、ひと彫りごとに三度礼拝する意から。▽仏教語。「一刀」はひとたび刀を入れる、「礼」は礼拝する意。写経では「一字三礼」、仏画では「一筆三礼」という。
いんぎんぶれい【慇懃無礼】
言葉や態度などが丁寧すぎて、かえって無礼であるさま。あまりに丁寧すぎると、かえって嫌味で誠意が感じられなくなるさま。また、表面の態度はきわめて礼儀正しく丁寧だが、実は尊大で相手を見下げているさま。▽「慇懃」は非常に丁寧で礼儀正しいさま。
こっきふくれい【克己復礼】
私情や私欲に打ち勝って、社会の規範や礼儀にかなった行いをすること。▽「克」は勝つ意。また、抑える、約す意。「克己」は自分の欲望や私情に勝つこと。また、わが身を慎むこと。「復」は返る意。「復礼」は礼の道に立ち返る、従うこと。「己おのれに克かちて礼れいに復ふくす」と訓読する。もと、孔子が重んじた「仁」について、弟子の顔淵がんえんに答えた語。
ごうがんぶれい【傲岸無礼】
[名・形動]「傲岸不遜」に同じ。
ごうまんぶれい【傲慢無礼】
おごりたかぶって、他人をあなどり、礼儀を知らないような態度をとること。また、そのさま。
さんこのれい【三顧之礼】
真心から礼儀を尽くして、すぐれた人材を招くこと。また、目上の人が、ある人物を信任して手厚く迎えること。▽「顧」は訪ねる、訪れること。
さんしのれい【三枝之礼】
礼儀を尽くし、親孝行すること。親に対して、礼を重んじて接すること。
はくぶんやくれい【博文約礼】
広く学び、その知識を礼によって集約すること。広く書物を読んで見識を高め、それを礼を基準にして締めくくりをつけ、実践すること。孔子が唱えた学問の指針。▽「博文」は広く学問を修めること。「文」は書物・学問。「約」は締めくくる、まとめること。
はんぶんじょくれい【繁文縟礼】
礼儀や規則・形式などがこまごまして煩わしいこと。▽「文」はあや・飾り、また礼儀・規則の条文などの意。「繁文」はこまごました飾り。規則などがこまごまと煩わしいこと。「縟」は煩わしい、込み入っている意。「縟礼」は込み入った礼儀作法のこと。略して「繁縟」ともいう。