いちりゅうまんばい【一粒万倍】
一粒の種子をまけば、実って万倍もの収穫を得ることができる意から、わずかなものから多くの利益があがるたとえ。また、わずかなものでも粗末にしてはいけないという戒め。また、一つの善行が多くのよい結果をもたらすたとえ。▽「稲」の異名。
いちろくしょうぶ【一六勝負】
サイコロの目に一が出るか六が出るかで勝負を争うばくちのこと。転じて、のるか反るか、運まかせの冒険。
かりょうびんが【迦陵頻伽】
美しい声のたとえ。また、声の非常に美しいもののたとえ。あるいはヒマラヤ山中にいる想像上の鳥の名で、まだ殻にあるときに美しい声で鳴くともいい、極楽浄土にすみ、比類なき美声で鳴く想像上の鳥ともいう。浄土曼陀羅じょうどまんだらの絵などでは上半身は美女、下半身は鳥の姿で描かれている。▽仏教語。梵語ぼんごkalavinkaの音写で、仏典では「好声鳥」「逸音鳥」「妙声鳥」などと訳されており、この鳥の比類のない美声を仏の声にたとえている。
かんぎゅうじゅうとう【汗牛充棟】
蔵書がきわめて多いことの形容。本が非常に多くて、牛車に積んで運ぶと牛も汗をかき、家の中に積み上げれば棟木むなぎにまで届いてしまう意から。▽「牛うしに汗あせし棟むなぎに充みつ」と訓読する。「充棟汗牛じゅうとうかんぎゅう」ともいう。
きょうきょうきんげん【恐恐謹言】
おそれながらつつしんで申し上げる、の意。手紙文の結びに記して敬意を表す。
けいはくたんしょう【軽薄短小】
物について軽くて薄く、短く小さいさま。また、内容などが薄っぺらで中身のないさま。
こはるびより【小春日和】
冬の初めの時期の、春のように暖かい気候のこと。また、陰暦十月ごろの暖かい天候のこと。
りょくりんはくは【緑林白波】
泥棒・盗賊のこと。また、その潜伏場所をいう。▽中国新の王莽おうもうが天下を支配していたとき、緑林山に無頼の徒が立てこもり、そこを拠点にして強盗を働いていた。また、後漢ごかんの時代に張角ちょうかくを主領とし、頭に黄色の布切れをつけた黄巾こうきんの賊が白波谷を拠点として乱を起こしたことから、このような表現が生まれた。
ろおうそうらい【露往霜来】
露が降りる秋の季節が去って、霜の降りる冬の季節が到来する意。転じて、時の過ぎるのが早いたとえ。▽「露つゆ往ゆき霜しも来きたる」と訓読する。本来は、獣の肉付きがよくなる時期を表現した言葉。
わふうけいうん【和風慶雲】
穏やかに吹くそよ風と、吉兆を示すめでたい雲。温厚で徳の備わった人格者を形容した語。本来は孔子の高弟の顔回がんかいを評した語。▽「和」は穏やかなさま、「慶」は吉兆を表す。