ひがんえ【彼岸会】
春秋の2回、彼岸の7日間に行われる法会。寺院に参詣し、墓参などの仏事を行う。俳句では特に春についていう。《季 春》
ひがんざくら【彼岸桜】
バラ科の落葉小高木。春の彼岸のころ、葉より先に淡紅色の花を開く。中部地方以西で庭などに植える。こひがんざくら。《季 春》
ひがんばな【彼岸花】
ヒガンバナ科の多年草。土手や田の畦に生える。秋の彼岸のころ、高さ約30センチの花茎を伸ばし、長い雄しべ・雌しべをもつ赤い6弁花を数個輪状につける。花の後、線形の葉が出て越冬する。有毒植物だが、鱗茎 (りんけい) を外用薬とする。曼珠沙華 (まんじゅしゃげ) 。死人花 (しびとばな) 。捨て子花。石蒜 (せきさん) 。天蓋花 (てんがいばな) 。天涯花。幽霊花。かみそりばな。《季 秋》 [補説]ヒガンバナ科の単子葉植物は約860種が主に熱帯・亜熱帯に分布する。多年草で、鱗茎をもち、葉は根生し線形。花被は6枚あり、子房下位。ヒガンバナ・スイセン・アマリリスなどが含まれる。
出典:青空文庫
・・・と言うのはその秋の彼岸の中日、萩野半之丞は「青ペン」のお松に一通・・・ 芥川竜之介「温泉だより」
・・・――秋の彼岸過ぎ三時下りの、西日が薄曇った時であった。この秋の空・・・ 泉鏡花「海の使者」
・・・ちょろと小蛇が一条、彼岸過だったに、ぽかぽか暖かったせいか、植木・・・ 泉鏡花「政談十二社」