1 古代中国人が、インドシナをはじめとする南海の諸民族を卑しんで呼んだ語。南夷。→西戎 (せいじゅう) →東夷 (とうい) →北狄 (ほくてき)
2 日本で室町末期から江戸時代にかけて、ベトナム・タイ・フィリピンなど、東南アジア方面をさしていった語。
3 東南アジアに植民地をもつポルトガル・スペインをいった語。→紅毛 (こうもう)
4 名詞の上に付いて2・3から渡来したものであること、またそのように異国風であること、などの意を表す。「―絵」
5 歌舞伎・舞踊・操り人形などの演技で、右手と右足、左手と左足を一緒に前に出すしぐさ。なんば。なんば振り。
6 「南蛮煮」の略。また、ネギを入れて煮たうどんやそばをいい、具によって「鴨 (かも) 南蛮」「カレー南蛮」などがある。
7 「南蛮黍 (きび) 」の略。
8 「南蛮辛子 (がらし) 」の略。
出典:青空文庫
・・・ここは南蛮寺の堂内である。ふだんならばまだ硝子画の窓に日の光の当・・・ 芥川竜之介「おしの」
・・・衣の裾を引きながら、南蛮寺の庭を歩いていた。 庭には松や檜の間に・・・ 芥川竜之介「神神の微笑」
・・・「天竺南蛮の今昔を、掌にても指すように」指したので、「シメオン伊・・・ 芥川竜之介「さまよえる猶太人」