じんめんじゅうしん【人面獣心】
冷酷で、恩義や人情をわきまえず、恥などを知らない人のこと。顔は人間であるが、心は獣類に等しい人の意から。▽「人面」は人間の顔。また、それに似た形の意。「獣心」は道理をわきまえない、残忍なけだもののような心。「人」は「にん」とも読む。
にがびゃくどう【二河白道】
極楽浄土に往生したいと願う人の、入信から往生に至る道筋をたとえたもの。▽仏教語。「二河」は南の火の川と、北の水の川。火の川は怒り、水の川はむさぼる心の象徴。その間に一筋の白い道が通っているが、両側から水火が迫って危険である。しかし、後ろからも追っ手が迫っていて退けず、一心に白道を進むと、ついに浄土にたどりついたという話。煩悩にまみれた人でも、念仏一筋に努めれば、悟りの彼岸に至ることができることを説いている。
にくざんほりん【肉山脯林】
宴会などが、ぜいたくをきわめていることのたとえ。▽「肉」は生肉、「脯」は干し肉のこと。ともに当時のぜいたく品。「山」「林」はともに量がたくさんあることのたとえ。
にくじきさいたい【肉食妻帯】
僧侶そうりょが肉を食べ、妻をめとること。▽僧侶は殺生をしてはならず、禁欲生活を送るべきものであるという考え方から、かつて浄土真宗以外の宗派ではこれを禁じていた。「食」は「しょく」とも読む。
にくたんけんよう【肉袒牽羊】
降伏して相手に服従し、臣僕となることを請願すること。肌を脱ぎ、上半身裸になって羊をひく意から。▽「肉袒」は肌を脱ぎ、上半身をあらわにすること。降伏・謝罪の意。「牽羊」は羊をひいていくこと。料理人として相手に仕え、しもべとなることを請う意。「肉袒にくたんして羊ひつじを牽ひく」と訓読する。
にくたんふけい【肉袒負荊】
心から謝罪することのたとえ。
にしゃせんいつ【二者選一】
「二者択一」に同じ。
にしゃたくいつ【二者択一】
二つの事柄の、どちらか一方を選ぶこと。二つの選択肢のうちの一方を選ぶこと。▽「択一」は用意されているいくつかの事項の、どれか一つを選ぶこと。
にそくさんもん【二束三文】
売値が非常に安いこと。いくら売っても、もうけが出ないほどの安値で売ること。投げ売り。▽昔、金剛草履(藁わらや藺いなどで作られた大形で丈夫な草履)は、二足でわずか三文の値段で売られていたことから。「束」は「足」とも書く。
にちじょうさはん【日常茶飯】
日々のありふれたこと。いつものことで特に取り上げるまでもないもの。毎日の食事の意から。▽「日常茶飯事」が常用句。