ろうぎかいてい【螻蟻潰堤】
大きな事件や事故もほんの小さな原因からもたらされることのたとえ。けらやありが掘ったようなごく小さな穴でも、いずれは大きな堤防を壊してしまうことになる意から。▽「螻」はけら。「蟻」はあり。「潰」はつぶれる、壊れる意。「螻蟻ろうぎ堤つつみを潰ついやす」と訓読する。
ろうせいえんじゅく【老成円熟】
豊富な経験に裏打ちされて、人格・知識・技能・教養などが十分に熟達していること。▽「老成」は経験を十分に積んで物事にたけていること。「円熟」は人格や技量などが十分に発達していて、豊かな内容をもつこと。
ろうせいじちょう【老成持重】
十分に経験を積んで物事に長じ、しかも慎重なこと。▽「老成」は経験を積んで、人格・技能・教養などが十分に熟達していること。「持重」は大事をとって慎重にする意。
ろうちょうかんえん【籠鳥檻猿】
自由を束縛されて、思い通りに生きられないもののたとえ。かごの中に閉じ込められた鳥と、おりに閉じ込められた猿の意から。▽不自由な生き方を強いられるこの二者は、白居易はくきょいとその友人の元禛げんしんを比喩ひゆして言ったもの。「檻猿籠鳥かんえんろうちょう」ともいう。
ろくどうりんね【六道輪廻】
この世に生きるすべてのものは、六道の世界に生と死を何度も繰り返して、さまよい続けるということ。▽仏教語。「六道」は生前の行為の善悪によって、死後に行き先が決まる六つの世界(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)。「輪廻」は、車輪が回転してきわまりないように、霊魂は不滅で死後また生まれ変わるという考え方。
ろっこんしょうじょう【六根清浄】
欲や迷いを断ち切って、心身が清らかになること。▽「六根」は私欲や煩悩、迷いを引き起こす目・耳・鼻・舌・身・意の六つの器官をいう。「清浄」は煩悩や私欲から遠ざかり、清らかで汚れがない境地。略して「六根浄」ともいう。
ろんしめいかい【論旨明快】
文章や議論の主旨が、筋道が通っていて分かりやすいこと。また、そのさま。▽「論旨」は議論・意見の要点・主旨、「明快」は筋道がはっきりしていること。
わこうあんばい【和羹塩梅】
主君を補佐して、国を適切に治める有能な宰相・大臣のこと。▽「和羹」はいろいろな材料・調味料をまぜ合わせ、味を調和させて作った吸い物。「塩梅」は塩と調味に用いる梅酢のこと。この料理は、塩と、酸味の梅酢とを程よく加えて味つけするものであることから、上手に手を加えて、国をよいものに仕上げる宰相らをいう。「塩」は「えん」とも読む。
わこうどうじん【和光同塵】
自分の才能や徳を隠して、世俗の中に交じってつつしみ深く、目立たないように暮らすこと。▽「和光」は才知の光を和らげ、隠すこと。「塵」はちりのこと。転じて、俗世間。「同塵」は俗世間に交じわる、合わせること。また、仏教では、仏や菩薩ぼさつが仏教の教化を受け入れることのできない人を救うために、本来の姿を隠し変えて、人間界に現れることをいう。
わこんかんさい【和魂漢才】
日本固有の精神と中国伝来の学問の才。また、日本古来の精神を失わずに、中国の学問を消化し活用すべきであるということ。▽「和魂」は日本固有の精神のこと。「漢才」は中国の学問・知識の意。