いちごいちじゅう【一伍一什】
事の始めから終わりまで。最初から最後まで全部もれなく、すべて。▽一から十までということで、すべての意。「一五一十」とも書く。
さんしこうこう【三思後行】
物事を行うとき、熟慮したのち、初めて実行すること。三たび思い考えた後に行う意から。もとは、あまりに慎重になり過ぎると断行できず、また、別の迷いを生ずるのを戒める言葉であったが、今では一般に軽はずみな行いを戒める語として用いられる。▽「思」は思い考える、熟慮する意。一般に「三みたび思おもいて後のちに行おこなう」と訓読を用いる。
しんりょうとうか【新涼灯火】
秋の初めの涼しくなり始めたころは、明かりの下で読書をするのにふさわしい時期である意。▽「新涼」は初秋の涼しさ。「灯火」は「灯火親しむべき候」の略で、明かりの下で読書するのに適している季節の意。
せいかりょうげん【星火燎原】
最初は小さな力でも、放って置くと手がつけられなくなること。反乱や一揆が広がって防ぎきれなくなること。星の光のように小さな火でも、燃え広がると原野を焼き尽くすという意味。
てっとうてつび【徹頭徹尾】
最初から最後まで。終始。また、あくまで。けっして。▽「徹」は貫く意。
とうかかしん【灯火可親】
灯火に親しむこと。涼しくさわやかな秋の夜長は、灯火のそばで読書をするのに適しているということ。また初秋の形容。
はいぶつきしゃく【廃仏毀釈】
仏教排斥のための運動のこと。仏法を廃し、釈迦しゃかの教えを放棄する意。▽「釈」は釈迦のこと。「毀」は壊す、悪口をいう意。中国では南北朝時代から宋そう代の直前までに起こった四回の廃仏令「三武一宗の法難」、日本では明治政府の神仏分離令に基づく寺社排斥運動が有名。「仏ほとけを廃はいして釈しゃくを毀そしる」と訓読する。「排仏棄釈」とも書く。
ひゃくせつふとう【百折不撓】
何度失敗して挫折ざせつ感を味わっても、くじけずに立ち上がること。どんな困難にも臆おくせず、初めの意志を貫くこと。
ぼんのうぼだい【煩悩菩提】
悟りの障害となる人間の迷いの煩悩も、そのまま悟りにつながるきっかけとなること。悟りも悟りの実現を妨げる煩悩も、永久不変の真如しんにょの現れであり、人間の本性であるから、本来別のものでなく、二つは一体であるということ。また、迷いがあって初めて悟りもあるという意。▽大乗仏教の言葉。「煩悩」は心身を悩ます欲情の心の働きの意。「菩提」は一切の迷いのない悟りに至る境地の意。「煩悩即そく菩提」の略。
りゅうとうだび【竜頭蛇尾】
初めは勢いがよいが、終わりのほうになると振るわなくなること。頭は竜のように立派なのに、尾は蛇のようにか細くて、前と後とのつりあいがとれない意から。▽「竜」は「りょう」とも読む。