あめいせんそう【蛙鳴蝉噪】
無駄な表現が多く、内容の乏しい下手な議論や文章。無用の口論や下手な文章をいう。蛙かえるや蝉せみがやかましく鳴くように、騒がしいだけでなんの役にも立たないという意から。▽「噪」は騒がしく鳴く意。「蝉噪蛙鳴せんそうあめい」ともいう。
いっぴつけいじょう【一筆啓上】
男性の手紙の冒頭に書かれるあいさつのことば。起首。簡単な手紙をさしあげます、の意。
がいしゅういっしょく【鎧袖一触】
相手をたやすく打ち負かしてしまうたとえ。弱い敵人にたやすく一撃を加えるたとえ。鎧よろいの袖そでがわずかに触れただけで、敵が即座に倒れる意から。▽「鎧袖」は鎧の袖。「一触」はほんの少し触れること。
きょうかすいげつ【鏡花水月】
はかない幻のたとえ。目には見えるが、手に取ることのできないもののたとえ。また、感じ取れても説明できない奥深い趣のたとえ。詩歌・小説などの奥深い味わいのたとえ。本来は、鏡に映った美しい花と水に映った美しい月の意。それらは目には見えても見るだけで、実際に手に取ることができないことからいう。▽「水月鏡花すいげつきょうか」ともいう。「鏡花水月法」はその物事をあからさまに説明しないで、しかもその物事の姿をありありと読者に思い浮かばせる表現方法。
きょきょじつじつ【虚虚実実】
互いに策略や手段を尽くして戦うこと。また、うそとまことを取り混ぜて、相手の腹を読み合うことにもいう。▽「虚」は守りの弱いところ、「実」は守りの堅いところ。実を避け虚をついて戦う意。「虚」「実」のそれぞれを重ねて、意味を強調した語。
けんけんふくよう【拳拳服膺】
人の教えや言葉などを、心にしっかりと留めて決して忘れないこと。両手で物を大切に捧ささげ持って胸につける意から。▽「拳拳」は両手でうやうやしく捧げ持つ形容。「服膺」は胸にくっつけることから、よく心に留めること。「服」はつける意。「膺」は胸の意。
こうちせっそく【巧遅拙速】
いくら上手でも遅いよりは、たとえ下手でも速いほうがよいということ。
こかこい【狐仮虎威】
権力や権威のある者の威力を借りて、自分勝手に振る舞うたとえ。また、有力者の威力をかさに着て、勝手に振る舞う者のたとえ。▽「狐きつね、虎とらの威いを仮かる」と訓読する。「虎とらの威いを仮かる狐きつね」が慣用句。
そういくふう【創意工夫】
今までだれも思いつかなかったことを考え出し、それを行うためのよい方策をあれこれ考えること。▽「創意」は新しい思いつき、今まで考え出されなかった考え。「工夫」は物事を実行するために、よい方策をあれこれひねり出すこと。
まんげんほうご【漫言放語】
口からでまかせに、勝手なことをいい散らすこと。▽「漫言」は思いつきでいう言葉。「放語」は勝手なことをいい散らすこと。「放語漫言ほうごまんげん」ともいう。