いっきょりょうとく【一挙両得】
一つの行為で、同時に二つの利益が得られること。一つで二つの利益が得られること。また、わずかな労力で多くの利益を得るたとえ。▽「一挙」は一つの動作・行動。
いぼくのしん【移木之信】
政治を行うものは、人民から信頼されるにたる人物であることを明らかにすべきであるということ。転じて、約束を実行することのたとえ。
せんりのけつげん【千里結言】
遠方にいる友人と約束した言葉。▽「千里」は道のりの非常に遠いこと。「里」は距離の単位。中国の一里は時代によって異なるが、およそ五百メートル前後。「結言」は言葉によって約束をすること。
でんこうえいり【電光影裏】
人生は束の間であるが、人生を悟った者は永久に滅びることがなく、存在するというたとえ。▽「電光」は稲妻のこと、「影」は光の意。「電光影裏春風を斬きる(稲妻が春風を斬るようなもので、魂まで滅し尽くすことはできない)」の略。中国宋そうの僧祖元そげんを元げんの兵士が襲って殺そうとしたとき、祖元が唱えた経文の一句。
にそくさんもん【二束三文】
売値が非常に安いこと。いくら売っても、もうけが出ないほどの安値で売ること。投げ売り。▽昔、金剛草履(藁わらや藺いなどで作られた大形で丈夫な草履)は、二足でわずか三文の値段で売られていたことから。「束」は「足」とも書く。
ひはつえいかん【被髪纓冠】
非常に急いでいること。たいへん急いで行動すること。▽「被髪」は髪を被こうむる意で、振り乱した髪の毛が頭にかぶさること。「纓冠」は冠のひもを結ぶ意。髪を振り乱したまま髪を束ねずに冠のひもを結ぶことから。
ひようばっこ【飛揚跋扈】
思うままにのさばり振る舞うこと。また、臣下が権威をほしいままにして君主をしのぐたとえ。▽「飛揚」は猛禽もうきんが飛び上がる、舞い上がること。「跋扈」の「扈」は水中に仕掛けて魚を捕らえる竹垣の意。「跋」は越える意で、大魚がそれを越えて抜け出ること。規制や拘束などを無視して横暴に振る舞うこと。
ふきほんぽう【不羈奔放】
何ものにも拘束されず、思いどおりに振る舞うこと。また、そのさま。▽「羈」はつなぐ意。「不羈」は束縛を受けず自由なこと。「奔放不羈ほんぽうふき」ともいう。
やくほうさんしょう【約法三章】
中国漢の高祖劉邦りゅうほうが作り、民衆に約束した三つの法律のこと。後に転じて、物事を行う際に、事前に決めておく簡単な約束事・規則のことをいう。また、簡単な法律の総称。▽「約法」は法律を約束すること。「三章」は劉邦の定めた三つの法律のこと。
りゅうちょうこが【竜跳虎臥】
筆勢が何の束縛も受けず、縦横自在で、さまざまな字様を駆使していること。竜が天に向かって身を躍らせて跳び上がったり、とらが大地にからだを伏せる様子を筆の勢いに比喩ひゆしたもの。▽「竜」は「りょう」とも読む。