いちぼうむぎん【一望無垠】
一目でかなたまで広々と見渡されること。見晴らしのよいたとえ。また、広々として見渡される美しい景色のたとえ。▽「無垠」は果てしないこと。「垠」は地の果て。「一望いちぼう垠はて無なし」と訓読する。
いっすんのこういん【一寸光陰】
ごくわずかな時間のこと。ほんのわずかな時間も無駄にしてはいけないという戒めの語。▽「一寸」はちょっと・わずかの意。ごく短いことのたとえ。「光陰」は時間や年月の意。「光」は昼、「陰」は夜とも、また「光」は日、「陰」は月ともいう。「一寸の光陰軽んずべからず」という慣用句として用いられることが多い。
いんぎんぶれい【慇懃無礼】
言葉や態度などが丁寧すぎて、かえって無礼であるさま。あまりに丁寧すぎると、かえって嫌味で誠意が感じられなくなるさま。また、表面の態度はきわめて礼儀正しく丁寧だが、実は尊大で相手を見下げているさま。▽「慇懃」は非常に丁寧で礼儀正しいさま。
ういてんぺん【有為転変】
この世のすべての存在や現象は、さまざまな原因や条件によって常に移り変わるものであり、少しの間もとどまっていないこと。また、この世が無常で、はかないものであるたとえ。▽もと仏教語。「有為」は因縁(原因や条件)によって生じたこの世の一切の現象。「ういてんべん」とも読み、また音が転じて「ういてんでん」と読む場合もある。
うごうのしゅう【烏合之衆】
規律も統制もなく、ただ寄り集まっているだけの集団。秩序のない人々の集まりや軍勢にいう。からすの集まりが無秩序でばらばらであることから。
うぞうむぞう【有象無象】
数は多いが、種々雑多なくだらない人や物。ろくでもない連中のこと。多くの人々を卑しめていう。また、形があるものも、ないものもすべて。有形無形のすべて。▽もと仏教語。「象」はかたちの意。
うやむや【有耶無耶】
はっきりしないさま。曖昧あいまいなさま。また、いいかげんなさま。あるかないか、はっきりしない意。▽「耶」は疑問の助字。「有りや無しや」の意。
えいえいむきゅう【永永無窮】
いつまでも永遠に果てることなく続くさま。長く続いてきわまりないさま。時の果てしなく長いたとえ。▽「永永えいえいとして窮きわまり無なし」と訓読する。
かんぜんむけつ【完全無欠】
欠点や不足がまったくないさま。完璧かんぺきなさま。▽「無欠」は欠けたところがないこと。ほぼ同意の熟語を重ねて意味を強めたもの。
がしろうひょう【画脂鏤氷】
内実がしっかりしていないのに外側、外面を飾っても無駄であるたとえ。また、苦労し努力しても効果のないたとえ。力を無用なところに用いること。あぶらに画えがき氷に彫刻する意から。▽「脂」はあぶら。「鏤」はほる、刻みつける意。「画」は「かく」とも読む。「氷」は「冰」とも書く。「脂あぶらに画えがき氷こおりに鏤(ちりば・きざ)む」と訓読する。