しくはっく【四苦八苦】
非常に苦労すること。たいへんな苦しみ。もと仏教の語で、あらゆる苦しみの意。▽「四苦」は生しょう老・病・死の四つの苦しみ。「八苦」は「四苦」に愛別離苦あいべつりく(親愛な者との別れの苦しみ)、怨憎会苦おんぞうえく(恨み憎む者に会う苦しみ)、求不得苦ぐふとくく(求めているものが得られない苦しみ)、五蘊盛苦ごうんじょうく(心身を形成する五つの要素から生じる苦しみ)を加えたもの。
ししょごきょう【四書五経】
中国の代表的な古典の総称で、儒教で経典として尊ばれたもの。▽「四書」は儒教の根本教典とされる『大学だいがく』『中庸ちゅうよう』『論語ろんご』『孟子もうし』。「五経」は儒教の教典のうち重要な『易経えききょう』『詩経しきょう』『書経しょきょう』『礼記らいき』『春秋しゅんじゅう』の五種の書。「五経」については時代により異なる。
しちどうがらん【七堂伽藍】
寺の主要な七つの建物。また、七つの堂のそろった大きな寺。▽「七堂」は塔・金堂こんどう講堂・鐘楼・経蔵・僧房・食堂じきどう。禅宗では山門・仏殿・法堂はっとう庫裡くり僧堂・浴室・東司とうす(便所)を指すことが多く、宗派などにより異なる。「伽藍」は寺の建物。寺院。
ぜいたくざんまい【贅沢三昧】
思う存分にぜいたくするさま。▽「贅沢」は身分にふさわしくない必要以上のおごり。「三昧」はそのことに夢中になって、他をかえりみない意を表す語。
そうじょうのじん【宋襄之仁】
無益な哀れみをかけることのたとえ。また、おろかな情けのたとえ。不必要に情けをかけて、その結果、自分が痛い目に遭うこと。宋襄の思いやりの意から。▽「宋襄」は中国春秋時代の宋国の王襄公。「仁」は情け。
そうりんいっし【巣林一枝】
小さい家に満足すること。分相応の暮らしに満足すること。不必要に他の物まで求めようとせず、分相応を守るたとえ。鳥は木のたくさんある林に巣を作っても、自分で使うのは一本の枝だけであるという意から。▽「巣林」は林に巣を作ること。「一枝巣林いっしそうりん」ともいう。
としくほう【兎死狗烹】
うさぎが死んでしまえば、それを捕らえるのに用いられた猟犬は不必要となって、煮て食べられてしまう意。戦時に活躍した武将は、ひとたび太平の世となると、用なしとして殺されてしまうことをたとえた言葉。また、後に広く、利用価値があるときだけ用いられ、無用になると捨てられてしまうことのたとえ。▽一般に「兎うさぎ死しして狗いぬ烹にらる」と訓読を用いる。
とまつししょ【塗抹詩書】
幼児のこと。また、幼児のいたずらのたとえ。幼児は大切な詩書でもかまわずに塗りつぶしてしまうことから。▽「塗抹」は塗り消すこと。「詩書」は儒教の重要な古典である『詩経』と『書経』のこと。「詩書ししょを塗抹とまつす」と訓読する。
どくしょひゃっぺん【読書百遍】
難解な文章でも繰り返し読めば、意味が自然と分かってくるということ。▽「百遍」は回数が多いこと。「読書百遍義ぎ自おのずから見あらわる」、あるいは「読書百遍意い自ら通ず」の略。中国三国時代、魏ぎの董遇とうぐうが弟子に何度も読書することの必要性を説いた語。
なんこうふらく【難攻不落】
攻めることが困難で、なかなか陥落しないこと。転じて、こちらがいくら働きかけても、相手がなかなか自分の要望を受け入れてくれないこと。▽「難攻」は攻めにくい、攻めるのが難しい意。「不落」は陥落しないこと。