こっきふくれい【克己復礼】
私情や私欲に打ち勝って、社会の規範や礼儀にかなった行いをすること。▽「克」は勝つ意。また、抑える、約す意。「克己」は自分の欲望や私情に勝つこと。また、わが身を慎むこと。「復」は返る意。「復礼」は礼の道に立ち返る、従うこと。「己おのれに克かちて礼れいに復ふくす」と訓読する。もと、孔子が重んじた「仁」について、弟子の顔淵がんえんに答えた語。
こっくべんれい【刻苦勉励】
心身を苦しめて仕事や勉学に励むこと。▽「刻苦」は非常な苦労をすること。「刻」は責める、苦しめる意。「勉励」は務め励むこと。
こんごうふえ【金剛不壊】
きわめて堅固で決して壊れないこと。また、志を堅く守って変えないこと。▽もとは仏の身体について言った語という。「金剛」は金石の中で最も硬いもの。ダイヤモンド。一説に金・金剛石。「不壊」は堅く壊れないこと。「不壊金剛ふえこんごう」ともいう。
ごたいとうち【五体投地】
両肘ひじ両膝ひざと頭を地面につけて行う拝礼。全身を地に投げ伏してうやうやしく行う最高の拝礼。▽仏教語。「五体」は頭と両手・両足の意。全身。
さいとくけんび【才徳兼備】
すぐれた才知と人徳を兼ね備えていること。▽「才徳」は才知と人徳・徳行。「兼備」は両方を身に付けていること。
しくはっく【四苦八苦】
非常に苦労すること。たいへんな苦しみ。もと仏教の語で、あらゆる苦しみの意。▽「四苦」は生しょう老・病・死の四つの苦しみ。「八苦」は「四苦」に愛別離苦あいべつりく(親愛な者との別れの苦しみ)、怨憎会苦おんぞうえく(恨み憎む者に会う苦しみ)、求不得苦ぐふとくく(求めているものが得られない苦しみ)、五蘊盛苦ごうんじょうく(心身を形成する五つの要素から生じる苦しみ)を加えたもの。
じかどうちゃく【自家撞着】
同じ人の言動や文章などが前後で矛盾していること。自分で自分の言行に反することをすること。▽「自家」は自分、自分自身のこと。「撞着」は突き当たること。矛盾すること。「撞着」は「とうちゃく」「どうじゃく」とも読む。「着」は「著」とも書く。
せいじんむむ【聖人無夢】
徳のすぐれている聖人は、心身が安らかで憂いや悩みが少しもないから、夢を見ることがないということ。▽「聖人せいじんに夢ゆめ無なし」と訓読する。
ぜいたくざんまい【贅沢三昧】
思う存分にぜいたくするさま。▽「贅沢」は身分にふさわしくない必要以上のおごり。「三昧」はそのことに夢中になって、他をかえりみない意を表す語。
ぜんなんぜんにょ【善男善女】
仏道の教えに帰依した人々。後に広く仏教を信仰する人々のことを指す。また、寺院に参詣したり霊場を巡礼したりする人を指す語。▽仏教語。良家の男子・女子という意味の梵語ぼんごの意訳。彼らは前世あるいは今世に善行を積んだので、在家の身で仏法を聞くことができたとされる。