せいせんばんせん【青銭万選】
青銅の銭は質がよいので、一万回選び取っても、他の粗悪な銭と取り間違えたりしないこと。転じて、何度受けても必ず科挙(昔の中国の官吏登用試験)の試験に合格できるほどのすばらしい文章のこと。
とそううひ【兎走烏飛】
歳月のあわただしく過ぎ去るたとえ。月日の速く過ぎるたとえ。▽「烏」は日(太陽)、「兎」は月を意味し、転じて、月日・歳月のたとえ。太陽に三本足のからすがすみ、月にうさぎがすむという中国古代の伝説による。「烏飛兎走うひとそう」ともいう。
どくしょひゃっぺん【読書百遍】
難解な文章でも繰り返し読めば、意味が自然と分かってくるということ。▽「百遍」は回数が多いこと。「読書百遍義ぎ自おのずから見あらわる」、あるいは「読書百遍意い自ら通ず」の略。中国三国時代、魏ぎの董遇とうぐうが弟子に何度も読書することの必要性を説いた語。
ぼくめいじゅこう【墨名儒行】
表面は墨家ぼっかといいながら、実際には儒家の行いをしている意で、表向き吹聴ふいちょうしている主義・主張と実際の行動が違うたとえ。名目は墨家で行動は儒家という意。墨家・儒家はそれぞれ中国春秋戦国時代の思想集団をいう。
まっぽうしそう【末法思想】
仏教における歴史観の一つ。釈迦しゃかの入滅にゅうめつ後、初めの五百年を正法しょうぼう、次の千年を像法ぞうぼう、そしてその後の一万年を末法まっぽうといい、末法の世には真の仏法が衰えて、世の中が混乱するという考え。各時期の長さには諸説がある。仏道修行者の危機意識を喚起するために説かれた。▽仏教語。
まっぽうまっせ【末法末世】
時代がくだり、仏教が衰え、道徳が乱れた末の世のこと。▽「末法」は釈迦しゃかの入滅にゅうめつ後、正法しょうぼう(五百年間)、像法ぞうぼう(千年間)に続くその後の一万年のこと。末法の世には仏法が衰えて、救いがたい世の中になるという。「末世」は仏法のすたれた世、末法の世の意。
むがむちゅう【無我夢中】
ある事にすっかり心を奪われて、我を忘れてしまうさま。▽「無我」はもと仏教語。自分に捕らわれる心を超越した心。そこから自分を忘れる意。「夢中」は物事にすっかり熱中して、他のことを考えられない状態。
むけんじごく【無間地獄】
大悪を犯した者が、死後絶えることのない極限の苦しみを受ける地獄。仏教でいわれている八大地獄の八番目。▽仏教語。八大地獄とは、仏教で説かれているさまざまな地獄の中でも最も有名な八つの地獄のこと。等活とうかつ黒縄こくじょう衆合しゅごう叫喚きょうかん大叫喚・焦熱しょうねつ大焦熱・無間の八つをいう。「無間」は間断のないこと。「間」は「げん」とも読む。
むげんほうよう【夢幻泡影】
人生や世の中の物事は実体がなく、非常にはかないことのたとえ。▽仏教語。「夢ゆめ」「幻まぼろし」「泡あわ」「影かげ」はいずれも壊れやすく、はかないもののたとえ。「影」は「えい」とも読む。
るるめんめん【縷縷綿綿】
話が長くて、くどくどしいさま。また、中身のない話が、延々と繰り返されるさま。▽「縷縷」は細長く続くさま。また、細々と話すさま。「綿綿」はいつまでも続いて絶えない意。「綿」は「緜」とも書く。