しゅつりしょうじ【出離生死】
仏教のことばで、生死に捕らわれた迷いの境地から逃れ、悟りの境地に入ること。
しんとうめっきゃく【心頭滅却】
無念無想の境地に達すること。雑念を排して集中すれば、火の中でも涼しく感じるということ。困難な状況にあっても、超越した境地にあれば、苦しくないということ。
じゃくめついらく【寂滅為楽】
迷いの世界から離れた心安らかな悟りの境地が、楽しいものであるということ。▽仏教語。「寂滅」は煩悩の消え去った究極的な悟りの境地。
じゃっこうじょうど【寂光浄土】
仏の住む安寧あんねいで清らかな世界。また、すべての煩悩ぼんのう(成仏のさまたげとなる心の働き)から解放された究極の悟りの境地。
じゅうおうむげ【縦横無礙】
[名・形動]どの方面にも妨げになるもののないこと。物事が自由自在にできること。また、そのさま。「—な(の)境地」
じょうぐぼだい【上求菩提】
菩薩ぼさつが、さらに高みを求め、悟りの境地へと向かうこと。仏教のことばで、菩薩のとるべき道とされる。
せいちあんこう【生知安行】
生まれながらにして人の踏み行うべき道をよく知り、考えることなく心のままにそれを行うこと。聖人の境地。▽「生知」は学ばなくても生まれながらに人の道を知ること。「安行」は心のままに行うこと。何の努力もなしに人の道を行う意。
ぜんじんみとう【前人未踏】
過去にだれも到達したり足を踏み入れたりしていないこと。いままでだれも成し遂げたことがないということ。▽「前人」は今までの人、先人。「未踏」はだれもその場所に踏み込んでいないということ。「未踏」は「未到」とも書き、この場合はだれもたどり着いていない地点。
ぜんにゅうかきょう【漸入佳境】
話や状況などがだんだん興味深い部分にさしかかってくること。▽「漸入」はだんだんその段階に入っていくこと。「佳境」はよい境地、最も興味深くおもしろいところ。一般に「漸ようやく佳境かきょうに入いる」と訓読を用いる。
そくてんきょし【則天去私】
小さな私にとらわれず、身を天地自然にゆだねて生きて行くこと。▽「則天」は天地自然の法則や普遍的な妥当性に従うこと。「去私」は私心を捨て去ること。夏目漱石そうせきが晩年に理想とした境地を表した言葉で、宗教的な悟りを意味するとも、漱石の文学観とも解されている。「天てんに則のっとり私わたくしを去さる」と訓読する。