いっきとうせん【一騎当千】
群を抜いた勇者のたとえ。また、人並みはずれた能力や経験などのたとえ。一人の騎兵で千人もの敵を相手にできる意から。▽「当千」は「千に当たる」で、千人を敵にできる、千人に匹敵する意。「千」は「ぜん」とも読む。
いっさいがっさい【一切合切】
なにもかもすべての意。▽「一切」「合切」はともに全部、残らずみなの意で、同意の語を重ねて、「一切」の意味を強めたもの。「切」は「財」とも書く。
うきせいこう【雨奇晴好】
⇒ せいこううき(晴好雨奇)
げんしょうこうい【玄裳縞衣】
つるの姿の形容。転じて、つるの異名。黒のはかまと白い上着の意から。▽「玄」は黒の意。「裳」はもすそ・したばかま。「縞」は白の意。また、白ぎぬの意。「衣」はころも・上着。
こうしそうにく【行尸走肉】
才能や学問もなく、何の役にも立たない無能な人のたとえ。歩く屍しかばねと、走る魂のない肉体の意から。▽「行」は歩く意。「尸」は屍。屍や肉体は形だけあって、魂がないことからいう。「尸」は「屍」とも書く。
りくとうさんりゃく【六韜三略】
中国の有名な兵法書『六韜』と『三略』。『六韜』は周の太公望呂尚りょしょうの作とされる。文・武・竜・虎こ豹ひょう犬の六巻。『三略』は前漢の功臣、張良ちょうりょうの師である黄石公こうせきこうの作とされ、上略・中略・下略の三巻。ただし、ともに後世の偽作という説もある。▽「韜」は弓袋の意で、兵法の奥義、戦略のこと。「略」ははかりごと・計略の意。
りょうちりょうのう【良知良能】
人間が先天的にもっている知恵と才能のこと。後天的に獲得する学問や経験によるものではなく、人が生まれながらにもっている正しい心の働きと能力のこと。子が親を敬愛することの類たぐいをいう。▽孟子もうしの性善説せいぜんせつ(人間は本来、善良な生き物である、というもの)に基づく考え方。
りょくりんはくは【緑林白波】
泥棒・盗賊のこと。また、その潜伏場所をいう。▽中国新の王莽おうもうが天下を支配していたとき、緑林山に無頼の徒が立てこもり、そこを拠点にして強盗を働いていた。また、後漢ごかんの時代に張角ちょうかくを主領とし、頭に黄色の布切れをつけた黄巾こうきんの賊が白波谷を拠点として乱を起こしたことから、このような表現が生まれた。
ろうしょうふじょう【老少不定】
人間の寿命がいつ尽きるかは、老若にかかわりなく、老人が先に死に、若者が後から死ぬとは限らないこと。人の生死は予測できないものだということ。▽人生の無常をいう仏教語。「不定」は一定しないこと、決まった法則や規則がないこと。「少」は若い意。
ろくどうりんね【六道輪廻】
この世に生きるすべてのものは、六道の世界に生と死を何度も繰り返して、さまよい続けるということ。▽仏教語。「六道」は生前の行為の善悪によって、死後に行き先が決まる六つの世界(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)。「輪廻」は、車輪が回転してきわまりないように、霊魂は不滅で死後また生まれ変わるという考え方。