いんじゅんこそく【因循姑息】
古い習慣ややり方にとらわれて改めようとせず、その場しのぎに終始するさま。▽「因循」は因より循したがう意から、しきたりにとらわれて改めようとしないこと。「姑息」は姑しばらく息をつく意から、一時の間に合わせのこと。
えいゆうぎじん【英雄欺人】
卓抜した能力をもつ人は、そのすぐれたはかりごとで、普通の人が思いもよらない手段や行動をとるものであるということ。▽一般に「英雄えいゆう人ひとを欺あざむく」と訓読を用いる。
きゅうよのいっさく【窮余一策】
追いつめられ、困り果てた末に考えついた方策や手段のこと。
きょきょじつじつ【虚虚実実】
互いに策略や手段を尽くして戦うこと。また、うそとまことを取り混ぜて、相手の腹を読み合うことにもいう。▽「虚」は守りの弱いところ、「実」は守りの堅いところ。実を避け虚をついて戦う意。「虚」「実」のそれぞれを重ねて、意味を強調した語。
ぎゅうとうかっけい【牛刀割鶏】
取るに足りない小さなことを処理するのに、大げさな方法を用いるたとえ。小さな物事を裁くのに、大人物や大げさな方法・手段などは必要ないということ。また、それらを戒めた語。鶏をさばくのに牛を切る大きな包丁を用いる意から。▽「牛刀ぎゅうとうもて鶏にわとりを割さく」と訓読する。また「割鶏牛刀かっけいぎゅうとう」ともいう。
くにくのけい【苦肉之計】
苦しまぎれに考えついた手段や方法、策略のこと。
こうとさんくつ【狡兎三窟】
人が身の安全のために、たくさんの避難場所やさまざまな策を用意するたとえ。難を逃れるのに巧みなたとえ。また、ずる賢い者は用心深く、抜かりなく困難から逃れる手段を用意しているたとえ。すばしこいうさぎは三つの隠れ穴をもって危険から身を守る意から。▽「狡」はすばしこいこと。また、悪賢いこと。「窟」は穴。
ごりむちゅう【五里霧中】
物事の様子や手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たず困ること。また、そうした状態。五里にもわたる深い霧の中にいる意から。事情などがはっきりしない中、手探りで何かをする意にも用いる。▽「五里霧」は五里四方に立ち込める深い霧。
さけんがいえき【左建外易】
自分の権力や繁栄のために手段を選ばず、好き勝手をすること。不正などを行い、自らの勢力を伸ばすこと。
しゅとどうき【殊塗同帰】
手段や方法は違っても、同じ目的や結論に到達すること。行く道は違っていても、同じ所に帰着する意から。▽「殊」は異なること。「塗」は「途」に同じで、途中・みち。「帰」は帰着するところ。目的。「塗みちを殊ことにして帰きを同おなじくす」と訓読する。「塗」は「途」とも書く。また、「同帰殊塗どうきしゅと」ともいう。