そしたいよう【麤枝大葉】
大ぶりな枝がまばらに伸びていて、葉が大きいこと。文章が、細かい技巧や規則に走らず、ゆったりとしていること。大まかで、風格があること。
ちょうしんるこつ【彫心鏤骨】
心に彫りつけ骨に刻み込む意で、非常に苦心して詩文などを作り上げること。また、単にたいへんな苦労をすること。▽「彫心」は心に刻み込む意。「鏤骨」は骨に刻みつける意。大きな苦労のたとえ。「鏤」は「ろう」とも読む。「心こころに彫ほり骨ほねに鏤きざむ」と訓読する。
ちょうちゅうてんこく【彫虫篆刻】
詩文を作るのに、虫を彫り、篆字を刻みつけるように、細部まで技巧で飾りたてること。また、そのような技巧に走った内容のない文章。転じて、取るに足らないつまらない小細工。
てれんてくだ【手練手管】
思うままに人を操りだます方法や技術のこと。あの手この手と、巧みに人をだます手段や方法。▽「手練」「手管」は、ともに人をだます手段や技術のこと。同義語を重ねて強調した言葉。もとは遊女が客をだます手段をいう語。
てんいむほう【天衣無縫】
物事に技巧などの形跡がなく自然なさま。天人・天女の衣には縫い目がまったくないことから、文章や詩歌がわざとらしくなく、自然に作られていて巧みなこと。また、人柄が飾り気がなく、純真で無邪気なさま、天真爛漫らんまんなことをいう。また、物事が完全無欠である形容にも用いられることがある。▽「天衣」は天人・天女の着物。「無縫」は着物に縫い目のないこと。「無縫天衣むほうてんい」ともいう。
どくぐしょうしん【独具匠心】
詩文や音楽などの芸術に対する、独創的なアイデアや技巧を備えていること。
ふううんげつろ【風雲月露】
詩興を催す自然の風物のこと。また、実際の生活には役に立たない自然の風物を詠んだだけの詩文のこと。詩文が花鳥風月を詠んで技巧にのみ流れ、社会や人心に何の益もないのをそしった語。▽「風」「雲」「月」「露」は詩歌の題材で、自然の風物。