[動ハ下二]

  1. 耐える。持ちこたえる。→敢 (あ) えなむ

    1. 「秋風に—・へず散りにしならしばのむなしき枝に時雨すぐなり」〈秋篠月清集

  1. おして…する。しとげる。→敢えて

  1. (他の動詞の連用形に付いて)すっかり…する。…しつくす。→敢えず

    1. 天雲に雁そ鳴くなる高円 (たかまと) の萩の下葉はもみち—・へむかも」〈・四二九六〉

[補説]現代では副詞化した「あえて」のほか「あえず」の形で用いられる。
[動ハ下二]飲食物をととのえてもてなす。ごちそうする。
  • 「高麗の客 (まらうと) を朝 (みかど) に—・へ給ふ」〈前田本仁徳紀〉
[動ワ五(ハ四)]《「合う」と同語源》
  1. (会う・逢う)

    1. ㋐互いに顔を向かい合わせる。場所を決めて対面する。「客に—・う」「明日、いつもの場所で—・おう」

    2. ㋑たまたま人と出あう。「駅でばったり知人と—・った」

  1. (遭う・遇う)好ましくないことに出あう。「事故に—・う」「強い反対に—・う」

  1. 立ち向かう。戦う。「決勝戦で—・うチームは強敵だ」

  1. ある時期にめぐりあう。

    1. 天地 (あめつち) の栄ゆる時に—・へらく思へば」〈・九九六〉

  1. 夫婦になる。

    1. 「この世の人は男は女に—・ふことをす」〈竹取

  1. 対する。向かう。

    1. 「傍 (かたへ) (=カタワラノ人)に—・ひて、御子はおはすやと問ひしに」〈徒然・一四二〉

[可能]あえる

《「会う」と同語源》

[動ワ五(ハ四)]
  1. 二つ以上のものが近寄って、一つになる。くっつく。「いくつもの川が—・って大きな流れとなる」

  1. よく調和する。適合する。「配色がよく—・う」「和室に—・った装飾

  1. 二つのものが一致する。くい違いがない。合致する。「息が—・う」「気が—・わない」「話が—・う」

  1. ある基準一致する。「寸法が—・わない」「答えが—・う」「道理に—・う」

  1. それだけのことをするかいがある。引き合う。「—・わない商売

  1. 動詞の連用形に付いて複合語をつくる。

    1. ㋐互いに…する。「助け—・う」「取り—・う」

    2. 一緒になる。「落ち—・う」

[動ハ下二]
  1. 他のものに合わせる。また、合わせまじえる。

    1. 「母刀自 (おもとじ) も玉にもがもや戴きてみづらの中に—・へ巻かまくも」〈・四三七七〉

  1. 重ね合わせる。まじえる。

    1. 鶺鴒 (まなばしら) 尾行き—・へ」〈・下・歌謡

[動ハ下二]あえる」の文語形。

出典:青空文庫

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