[動ラ上二]おりる」の文語形。
[動ラ五(四)]
  1. 棒状・板状のものを鋭角的に曲げる。また、そのようにして切り離す。「指を—・って数える」「枝を—・る」

  1. 紙や布などの平面状のものを畳んで重ねる。「新聞紙を二つに—・る」

  1. 紙や布などを畳み重ねて物の形を作る。「千羽鶴を—・る」

  1. (「筆をおる」などの形で)文筆の業をやめる。

  1. 頑固な気持ちを弱める。くじく。「鼻柱を—・る」「我 (が) を—・る」

  1. (「骨をおる」などの形で)あるもののために苦労する。「友人の職探しに骨を—・る」

  1. 波が幾重にも重なって砕ける。

    1. 「今日もかも沖つ玉藻は白波の八重—・るが上に乱れてあるらむ」〈・一一六八〉

[可能]おれる
[動ラ下二]おれる」の文語形。
[動ラ五][文]を・り[ラ変]
    1. ㋐人が存在する。そこにいる。「海外に何年—・られましたか」

    2. ㋑「いる」の古風な、または尊大な言い方。また、「いる」に比べて方言的な響きを帯びる。「君はそこに—・ったのか」「都会にはセミも—・らんようになった」

  1. (「おります」の形で、自分自分の側の者についていう)「いる」の丁寧な言い方。「五時までは会社に—・ります」

  1. 動詞の連用形に付いて用いる。

    1. ㋐(相手軽蔑する気持ちを込めて)…やがる。「あんなやつに負け—・って」

    2. 自分卑下する気持ちを表す。

      「私も隣の京屋にゐ—・ります」〈伎・夕霧七年忌〉

  1. (「立つ」に対して)すわっている。

    1. 「しきたへの床の辺 (へ) 去らず立てれども—・れどもともに戯 (たはぶ) れ」〈・九〇四〉

  1. (補助動詞)動詞の連用形に接続助詞「」を添えた形に付いて用いる。

    1. ㋐「…ている」の古風な、または尊大な言い方。「そこに控えて—・れ」

    2. ㋑(「…ております」の形で)「…ている」の丁寧な言い方。「ただ今、外出して—・ります」

[補説](1)助動詞「れる」の付いた「おられる」「…ておられる」の形で尊敬表現に用いられる。(2)もとはラ変活用。室町時代以後、四段活用に変化。
[可能]おれる
[動ラ下二]愚かになる。心を奪われる。
  • 「花に—・れつつ聞こえあへり」〈胡蝶

[動ラ五(四)]

  1. 機 (はた) で縦糸横糸を組み合わせて布地を作る。「絣 (かすり) を—・る」

  1. 藺 (い) ・わらなど細いものを組み合わせてむしろ・ござなどを作る。「花ござを—・る」

  1. いろいろなものを組み合わせて作り上げる。「夢物語を—・る」

[可能]おれる

出典:青空文庫

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