
《(梵)namasの音写。南摩・納莫などとも音写。敬礼 (きょうらい) ・帰命 (きみょう) と訳す》仏語。仏・菩薩 (ぼさつ) に向かって、心からの帰依を表す語。その名を呼ぶときに冠する。
1 推量を強調する意を表す。きっと…だろう。…にちがいない。
「世の中の憂きたびごとに身を投げば深き谷こそ浅くなり―◦め」〈古今・雑体〉
2 意志を強調する意を表す。必ず…しよう。…てしまおう。
「舟に乗り―◦むとす」〈土佐〉
3 可能の推量を強調して表す。…することができよう。
「この御方々のすげなくし給はむには、殿の内には立てり―◦むはや」〈源・常夏〉
4 適当・当然を強調して表す。…てしまうのがよい。…のはずだ。
「それ(=スグレタ文才)もすたれたる所のなきは、一生この事にて暮れにけりと、つたなく見ゆ。今は忘れにけり、と言ひてあり―◦ん」〈徒然・一六八〉
5 (多く「なむや」の形で敬語とともに用いられ)相手を勧誘する意を表す。…たらどうだ。…てくれないか。
「忍びては参り給ひ―◦むや」〈源・桐壺〉
出典:青空文庫
・・・「南無大慈大悲の泥烏須如来! 私はリスポアを船出した時から、一命・・・ 芥川竜之介「神神の微笑」
・・・億億衆生引導の能化、南無大慈大悲釈迦牟尼如来も、三十二相八十種好・・・ 芥川竜之介「俊寛」
・・・ぬっくり突立ったが、南無三物音が、とぎょッとした。 あッという声・・・ 泉鏡花「伊勢之巻」