[動サ変][文]くゎ・す[サ変]
  1. 形や状態などが変わる。それ以前とは別のものになる。変化する。また、変化させる。「一瞬にして焦土と—・する」「地震は町を廃墟と—・した」

  1. 他の影響で心がけや行いなどが変わる。感化される。また、他に働きかける。感化する。「悪人—・して善人となる」「衆を—・する」

[動サ変][文]か・す[サ変]
  1. 息を強く吹きかける。凍った筆や硯 (すずり) に息を吹きかけて暖めるところから、「筆硯 (ひっけん) を呵する」などの形で、文章を書く意に用いられる。

    1. 「予は硯 (けん) に—・し紙 (し) に臨んで」〈芥川開化殺人

  1. しかりつける。

    1. 「あれは仏を—・し祖を罵るのだね」〈鴎外独身

[動サ変][文]くゎ・す[サ変]刑罰を与える。「禁錮刑を—・する」
[動サ変][文]か・す[サ変]かけ渡す。物の上に構築する。「屋上、屋を—・する」
[動ラ五(四)]
  1. 軽く触れて通り過ぎる。かすめる。「弾丸が耳を—・った」

  1. 上前をはねる。「賃金を—・る」

  1. かすり書きにする。

  1. 他人のものをちょっと利用する。

    1. 「その提灯の明りを—・り、妾 (わし) も隣の念仏講へ」〈伎・四谷怪談

  1. 容器の底にわずかに残っているものをこそげ取る。

    1. 「夕に米唐櫃 (こめがらと) を—・り」〈浮・禁短気・四〉

  1. ほのめかす。におわす。

    1. 「その人の名は言ひかねて、思ふあたりを—・らする」〈浄・万年草

[動ラ下二]かすれる」の文語形。
[動サ変][文]か・す[サ変]
  1. 嫁に行く。とつぐ。

    1. 「梅子嬢 (さん) も亦た細川に—・することを喜んで居るようである」〈独歩・富岡先生〉

  1. 嫁にやる。とつがせる。

    1. 「お勢を—・するのが厭になって」〈二葉亭浮雲

  1. 責任や罪を他人に押しつける。転嫁する。

    1. 「スターンは自分責任を免れると同時に之を在天の神に—・した」〈漱石草枕

[動サ変][文]くゎ・す[サ変]負担すべきものとして引き受けさせる。一方的に負わせる。「宿題を—・する」「義務を—・する」

出典:青空文庫

goo辞書は無料で使える辞書・辞典の検索サービスです。1999年にポータルサイト初の辞書サービスとして提供を開始しました。出版社による信頼性の高い語学辞典(国語辞書、英和辞書、和英辞書、類語辞書、四字熟語、漢字など)と多種多様な専門用語集を配信しています。すべての辞書をまとめて検索する「横断検索」と特定の辞書を検索する「個別検索」が可能です。国語辞書ではニュース記事や青空文庫での言葉の使用例が確認でき、使い方が分からない時に便利です。