いっしょく-そくはつ【一触即発】
ちょっと触れただけで、すぐに爆発しそうな状態の意から、きわめて緊迫した状態や状況。小さなきっかけで、重大な事態が起こるかもしれない危険な状態に直面していること。▽「即」はすぐにの意。弓を引き絞り放たれるのを待っている緊張の状態の意からともいう。
きき-いっぱつ【危機一髪】
ひとつ間違えば、非常な危険に陥ろうとする瀬戸際。髪の毛一本ほどのわずかな違いで、危険や困難に陥るかどうかの、きわめて危ない瀬戸際をいう。▽「危機」は非常に危ない状態。「一髪」は一本の髪の毛。
ききゅう-そんぼう【危急存亡】
危険が切迫して存続するか滅びるか、生き残れるか死ぬかの瀬戸際のこと。▽「危急」は危険が迫ること。「存亡」は存続するか滅びるか、また、生きるか死ぬかの意。一般に「危急存亡の秋とき」と用いることが多い。秋は万物が実る季節であることから、大切な時の意。この熟語は個人よりも組織や集団の重大な局面についていうことが多い。
きゅうし-いっしょう【九死一生】
危ういところで奇跡的に助かること。ほとんど死を避けがたい危険な瀬戸際で、かろうじて助かること。▽「九死」は十のうち九まで死の可能性が高いことで、ほとんど死が避けがたい危険な場合をいう。「一生」は十のうち一の生きる可能性の意。一般には「九死に一生を得る」という形で用いることが多い。
きゅうと-まつろ【窮途末路】
苦境にいて行きづまり、逃れようもない状態。窮地にあって困りはてること。道がきわまって行きようのない意から。▽「窮途」は行きづまりの道。転じて、苦しい境遇・困窮の意。「末路」は道の終わり。「末路窮途まつろきゅうと」ともいう。
しんたい-りょうなん【進退両難】
どうにもこうにもならないさま。にっちもさっちもいかないさま。進むことも退くことも困難な様子。▽「進退しんたい両ふたつながら難かたし」と訓読する。
ぜったい-ぜつめい【絶体絶命】
困難・危険から、どうしても逃れられないさま。追いつめられ、切羽詰まったさま。▽「絶」は窮まる意。追いつめられ窮地にある立場や状態をいう。
だんがい-ぜっぺき【断崖絶壁】
切り立ったがけ。非常に危機的な状況のたとえとして用いられることもある。▽「断崖」「絶壁」はともに非常に険しいがけのこと。
てっぷの-きゅう【轍鮒之急】
差し迫った危急や困難のたとえ。車の通った跡のくぼみにたまった水の中で、苦しみあえいでいる鮒ふなの意から。▽「轍」は車が通った後に残った車輪の跡、わだちのこと。
でいせん-とか【泥船渡河】
世渡りの危険なことのたとえ。泥で作った船で川を渡る意から。▽「泥船でいせんに乗のりて河かわを渡わたる」の略。
はいすいの-じん【背水之陣】
切羽詰まっていて、もう一歩も後にはひけないぎりぎりの状況。また、そうした状況に身を置いて、必死に物事に取り組むこと。川を背にしたところに陣を敷き、退却できないようにして必死に戦う意から。▽「背水」は川を背にすること。