《「し」はサ変動詞「する」の連用形。「仕」は当て字》

  1. あることをする人。やりて。「世話の—がない」

  1. (ふつう「シテ」と書く)狂言の主人公の役。また、その演者中入りのあるときは前ジテ後 (のち) ジテとがあるが、同一役者が演じる。→ワキツレアド

  1. (仕手)株式市場などで、投機によって大きな利益を得ることを目的として、大量の売買をする人。仕手筋。「—戦」

[接]動詞「する」の連用形+接続助詞「て」から》前に述べた事柄を受けて、それに続けて言うことを導く語。そして。それで。「—ご用の趣きは」

動詞「する」の連用形+接続助詞「て」から》

[格助]名詞、活用語の連体形、副詞助詞などに付く。
  1. 動作をともにする人数・範囲を表す。「みんな—考えよう」

    1. 「もとより友とする人一人二人—行きけり」〈伊勢・九〉

  1. 動作をさせられる人を表す。「私を—言わしめれば、その説明では承服しかねる」

    1. 「楫 (かぢ) 取り—幣 (ぬさ) 奉 (たいまつ) らするに、幣の東 (ひむがし) へ散れば」〈土佐

  1. (多く「にして」の形で)動作の行われる時間空間を表す。「三〇歳に—独立する」

    1. 「勝軍王と申す大王の前に—此を競 (くら) ぶ」〈今昔・一・九〉

  1. 動作手段方法材料などを表す。

    1. 「そこなりける岩に、指 (および) の血—書きつけける」〈伊勢・二四〉

[接助]形容詞・形容動詞、一部の助動詞の連用形に付く。上代では接尾語「み」にも付く。
  1. 上の事柄を受け、それと並ぶ事柄または推移する事柄へと続ける。「策を用いず—勝つ」

  1. 「そのような状態で」の意で下へ続ける。

    1. 「ばっと消ゆるが如く—失 (う) せにけり」〈平家・三〉

  1. 理由原因を表す。

    1. 「これはにぶく—あやまちあるべし」〈徒然・一八五〉

  1. 逆接を表す。

    1. 格子 (かうし) どもも、人はなく—開 (あ) きぬ」〈竹取

[副助]副詞助詞などに付いて、意味語調を強める。「一瞬に—家が倒壊した」「先生から—あんな事をする」
[補説]2は現代語や漢文訓読調の文体では、「をして」の形で用いられる。

出典:青空文庫

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