こうしそうにく【行尸走肉】
才能や学問もなく、何の役にも立たない無能な人のたとえ。歩く屍しかばねと、走る魂のない肉体の意から。▽「行」は歩く意。「尸」は屍。屍や肉体は形だけあって、魂がないことからいう。「尸」は「屍」とも書く。
こうぜんのき【浩然之気】
天地の間に満ちている、この上なく大きくて強い気のこと。これが人の心にやどると、広く豊かで大らかな気持ちとなり、公明正大で何ものにも屈しない道徳心となる。
こうだいむへん【広大無辺】
果てしなく広く大きいさま。また、限りなく広々としているさま。▽「広大」は広くて大きいこと。「無辺」は限りない、果てしないこと。「広」は「宏」「洪」とも書く。
こうとうむけい【荒唐無稽】
言説などがでたらめでよりどころがないさま。▽「荒唐」は言説などによりどころがなく、とりとめのないさま。「無稽」は根拠がないこと。でたらめであること。「稽」は考える意。「無稽荒唐むけいこうとう」ともいう。
こうとうれんめん【皇統連綿】
皇室が絶えることなく綿々と続くさま。▽「皇統」は天子・天皇の血統。「連綿」は長く続いて絶えないさま。「連綿」は「聯綿」「連緜」とも書く。
こうとさんくつ【狡兎三窟】
人が身の安全のために、たくさんの避難場所やさまざまな策を用意するたとえ。難を逃れるのに巧みなたとえ。また、ずる賢い者は用心深く、抜かりなく困難から逃れる手段を用意しているたとえ。すばしこいうさぎは三つの隠れ穴をもって危険から身を守る意から。▽「狡」はすばしこいこと。また、悪賢いこと。「窟」は穴。
こうふうせいげつ【光風霽月】
心がさっぱりと澄み切ってわだかまりがなく、さわやかなことの形容。日の光の中を吹き渡るさわやかな風と、雨上がりの澄み切った空の月の意から。また、世の中がよく治まっていることの形容に用いられることもある。▽「霽」は晴れる意。
こうへいむし【公平無私】
一方に偏ることなく平等で、私心をもたないさま。▽「無私」は私心がないこと。
こうぼくしかい【槁木死灰】
身も心も生気がまったくなく、何の働きもしないたとえ。無欲で無心なさま。▽「槁木」は枯れ木。からだが枯れ木のように静止して不動なことの形容。「死灰」は燃え尽きて、火の気のない灰。心が火の気のない灰のように無心なことの形容。いずれも生気や活気のないさま。
こうめいせいだい【公明正大】
私心をさしはさまず、公正に事を行うこと。また、そのさま。▽「公明」は公平で私心のないこと。不正や隠し立てがないこと。「正大」は態度や行動などが正しくて堂々としていること。