こんごうふえ【金剛不壊】
きわめて堅固で決して壊れないこと。また、志を堅く守って変えないこと。▽もとは仏の身体について言った語という。「金剛」は金石の中で最も硬いもの。ダイヤモンド。一説に金・金剛石。「不壊」は堅く壊れないこと。「不壊金剛ふえこんごう」ともいう。
さちゅうのぐうご【沙中偶語】
臣下が謀反を企てる談合をすること。人気のない砂地に集まり、額を突き合わせて相談する意から。▽「沙中」は砂の中、人のいない砂地の中。「偶語」は向かい合って語る、相談する。対話。「沙」は「砂」とも書く。
さんうんきょうう【桟雲峡雨】
山中のかけ橋のあたりに漂う雲と、谷あいに降る雨。▽「桟」はかけ橋。険しい場所に、丸太や藤蔓ふじづるなどで組んでかけた橋。「峡」は山と山の間の谷。
さんしすいめい【山紫水明】
自然の風景が清浄で美しいこと。日の光の中で山は紫にかすみ、川は澄みきって美しい意から。
さんぜんせかい【三千世界】
全宇宙、この世のすべて。仏教でいう世界観で、須弥山しゅみせんを中心に、周囲に四大洲があり、その周りに九山八海があり、われわれの住む小世界を形成し、この一つの世界を千合わせたものを小千世界、小千世界を千合わせて中千世界、さらに中千世界を千合わせて大千世界。この大千世界は千が三つ重なるので三千大世界、略して三千世界という。この三千世界が一仏の教化の及ぶ範囲とされた。俗に世間の意に用いられることもある。
しけんはっと【子建八斗】
中国六朝りくちょう時代、宋そうの謝霊運しゃれいうんが三国時代の魏ぎの曹植そうしょくの詩才を賞賛した語。天下の才能が一石いっこくあるとすれば、曹植の詩才は一人で八斗を有するという意。▽「子建」は曹植の字あざな。「斗」は容量の単位。一石は十斗。『蒙求もうぎゅう』の一句。
したさきさんずん【舌先三寸】
口先だけの巧みな弁舌。うわべだけのうまい言葉で、心や中身が備わっていないこと。▽「舌三寸」ともいう。
じうはんぽ【慈烏反哺】
子が親の恩に報いて孝養を尽くすこと。親孝行のたとえ。情け深いからすが幼いときの恩を忘れず、老いた親に口移しで餌えさを与える意から。▽「慈烏」はからすの異称。からすは、幼いとき親が口移しで餌を与えてくれた恩を忘れず、成長すると親に餌を与えてその恩を返すという。「哺」は口中の食物のこと。
じがじさん【自画自賛】
自分で自分のことを褒めること。自分で描いた絵に自分で賛を書く意から。▽「賛」は絵画に書き込む詩や文章などのこと。また、詩や文章などを画面の中に記すこと。他人に書いてもらうのが通例。「賛」は「讃」とも書く。
じこけんじ【自己顕示】
自分の存在を多くの人の中で、ことさらに目立たせること。▽「顕示」は、はっきりと示すこと。明確にあらわすこと。