がいだせいしゅ【咳唾成珠】
口から出たせきやつばきでさえ珠玉になるという意から。①一言一句が尊重されるほど、権勢が盛んなさま。②一言一句が美しく、詩文の才能に恵まれているさま。
きしょうてんけつ【起承転結】
漢詩の四句からなる絶句における構成法の一つ。八句からなる律詩においても二句ずつまとめて絶句に準じる。第一句(起句)でうたい起こし、第二句(承句)でこれを受けて発展させ、第三句(転句)で場面や視点を転じ、第四句(結句)でこれらを受けつつ全体をしめくくる。また、文章や話などで全体を秩序正しくまとめる構成の意として用いられる。さらに広く物事の順序、展開のしかた、構想にも用いられる。
こかこい【狐仮虎威】
権力や権威のある者の威力を借りて、自分勝手に振る舞うたとえ。また、有力者の威力をかさに着て、勝手に振る舞う者のたとえ。▽「狐きつね、虎とらの威いを仮かる」と訓読する。「虎とらの威いを仮かる狐きつね」が慣用句。
こくしょくてんこう【国色天香】
牡丹ぼたんのこと。また、非常に美しい人の形容。▽「国色」は国中で第一の美しい色。また、国一番の美人。「天香」は天のものかと思うばかりの妙たえなる香り。すばらしい香りの意。「天香国色てんこうこくしょく」ともいう。出典に引用された李正封りせいほうの詩句「国色朝あしたに酒を酣たのしみ、天香夜に衣を染む」による。
ひゃくたんせんれん【百鍛千練】
詩文の字句を、推敲すいこうに推敲を重ねること。百回も千回も苦心して詩文の字句を練りに練る意。▽「百」「千」はともに数の多いこと。何回も何回もということ。「鍛練」は金属を鍛え練る意から転じて、詩や文章の字句を考え練ること。
へんげんせきく【片言隻句】
わずかな言葉。ほんのちょっとした言葉。ひとこと。▽「片言」「隻句」はともに、わずかな言葉の意。「隻」は一つ。転じて、わずか、少しの意。「隻句」は「せっく」とも読む。
へんげんせきご【片言隻語】
ほんのちょっとした言葉。片言隻句。一言半句。「—も漏らさず書き留める」
ほうたんしょうしん【放胆小心】
文章を書くとき、初めは思い切って大胆に表現して書くのがよく、ある程度習熟してからは細かい点に注意を払って、よく字句を練るのがよいこと。また、この二つの文体。▽「放胆」は修辞や文法の規則からは、少しはずれても思い切って大胆に表現すること。また、その文。「小心」は細かい点に注意を払って、よく字句を練ること。また、その文。
ようかんさんじょう【陽関三畳】
別れの歌の陽関の曲の第四句を、三度繰り返して歌うこと。一説に、第二句以下の三句を二度繰り返して歌うこと。▽「陽関」は「陽関曲」。中国唐の詩人、王維おういの「元二げんじの安西あんせいに使つかいするを送おくる」(詩)の別名。送別詩の名作。「畳」は繰り返すこと。
りくしょうじゅうぎく【六菖十菊】
時期が遅れて、もう役に立たないこと。端午たんごの節句(五月五日)に一日遅れた六日の菖蒲しょうぶと、重陽ちょうようの節句(九月九日)に一日遅れた十日の菊の花という意。