えっちょうなんし【越鳥南枝】
中国南方の越の国から渡ってきた鳥は、巣を作るとき故郷を思って南の枝にとまるという意から、故郷を懐かしみ忘れがたく思う気持ちのたとえ。また、望郷の念にかられること。
おうじょうのそかい【往生素懐】
仏教に帰依し、現世を去って極楽浄土に生まれ変わりたいという平素からの願い。▽「往生」は現世を去って、極楽浄土に生まれ変わること。「素懐」は平素からの思い・願い。
きょしんたんかい【虚心坦懐】
心になんのわだかまりもなく、気持ちがさっぱりしていること。心にわだかまりがなく、平静に事に望むこと。また、そうしたさま。▽「虚心」は心に先入観やわだかまりがなく、ありのままを素直に受け入れることのできる心の状態。「坦懐」はわだかまりがなく、さっぱりとした心。平静な心境。
じゅたいこくち【受胎告知】
キリスト教で、天使ガブリエルがヨセフのいいなずけ聖母マリアを訪れ、キリストの身ごもりを告げたこと。古くからキリスト教美術のテーマの一つ。▽「受胎」は身ごもること。
じゅんこうろかい【蓴羹鱸膾】
故郷を懐かしく思い慕う情のこと。▽「蓴羹」は蓴菜じゅんさいの吸い物。「羹」はあつもの・吸い物。「鱸膾」は鱸すずきのなますの意。
ちょううんぼう【朝雲暮雨】
男女の契り・情交のこと。▽「朝雲」は朝の雲、「暮雨」は夕暮れに降る雨の意。「暮雨朝雲ぼうちょううん」ともいう。
としゅせきけい【斗酒隻鶏】
一斗の酒と一羽の鶏。転じて、亡き友人を哀悼し述懐すること。▽「斗酒」は一斗の酒。「隻」は鳥を数える単位。昔、一斗の酒と一羽の鶏は死者を祭るのに用いたもので、もと、魏ぎの曹操そうそうが友人の橋玄きょうげんの墓を祭ったときに作った文にこの語を用いたことから。
はくうんこひ【白雲孤飛】
旅の途中で、親を思い起こすことのたとえ。青い空に白い雲が一片ぽつんと飛んでいるのを見て、その下に住んでいる親を思って悲しむことから。
ばじとうふう【馬耳東風】
他人の意見や批評に注意を払わず、聞き流すことのたとえ。もとは春風が馬の耳に吹く意。人が心地よいと感じる春風が吹いても、馬は何も感じないように見えることからいう。▽「東風」は東から吹く風。春風のこと。「東風、馬耳を射る」の略。
ばんしょくさいしょう【伴食宰相】
地位に比して実力が伴わない大臣のこと。また、職務を果たさず実権もない大臣のこと。