しゅつらんのほまれ【出藍之誉】
弟子が師よりもすぐれた才能をあらわすたとえ。青色の染料は藍あいから取るものだが、もとの藍の葉より青くなることからいう。▽「藍」は、たで科の一年草。「青は藍より出いでて藍よりも青し」ともいう。
しんけいげんび【身軽言微】
身分や地位が低く、こちらの言い分が重んじられないこと。▽「身軽」は身分が軽い、身分が低い意。「微」は卑しいこと。身分が卑しいために言葉が軽んじられること。「身み軽かるくして言げん微いやし」と訓読する。
せいきんりょうぎょく【精金良玉】
性格が穏やかで純粋なたとえ。すぐれた金属と立派な玉の意から。▽「精金」は混じり気のない金属。「良玉」は美しい玉。「良玉精金りょうぎょくせいきん」ともいう。北宋ほくそうの学者であった程顥ていこうの人柄が、温和で純粋であることを言った言葉。
せいこうせいきょう【誠惶誠恐】
まことに恐れかしこまること。臣下が天子に自分の意見を奉るときに用いる。▽「惶」は恐れかしこまる意。「惶」「恐」それぞれに「誠」を重ねて、丁寧に強調した言葉。「誠まことに惶おそれ誠まことに恐おそる」と訓読する。
せいどんかっぱく【生呑活剥】
他人の詩文などをそっくり盗用すること。また、他人の言葉や考えを鵜呑うのみにして受け売りするだけで、独自性・創造性のないことのたとえ。▽「生呑」は生きたまま丸のみすること。「活剥」は生きたまま皮などを剥はぎとること。「活剥生呑かっぱくせいどん」ともいう。
せんゆうこうらく【先憂後楽】
常に民に先立って国のことを心配し、民が楽しんだ後に自分が楽しむこと。北宋の忠臣范仲淹はんちゅうえんが為政者の心得を述べた言葉。転じて、先に苦労・苦難を体験した者は、後に安楽になれるということ。▽「憂」は心配すること。
そうじんぼっかく【騒人墨客】
詩を作ったり書画をたしなんだりする風流な文人のこと。▽「騒人」は「離騒りそう」の作者で楚その詩人屈原くつげんおよびその一派のこと。転じて、広く詩人を指す言葉となった。また、風流を解する人の意。「墨客」は書画や文筆に巧みな人。「客」は「きゃく」とも読む。
そうそうのへん【滄桑之変】
世の中が激しく変わること。移り変わりが激しいこと。▽「滄桑」は「滄海」と「桑田」。つまり大海原うなばらと桑畑。青い海だった所が桑畑になる。世の中の移り変わりの激しさをいった言葉。
そくてんきょし【則天去私】
小さな私にとらわれず、身を天地自然にゆだねて生きて行くこと。▽「則天」は天地自然の法則や普遍的な妥当性に従うこと。「去私」は私心を捨て去ること。夏目漱石そうせきが晩年に理想とした境地を表した言葉で、宗教的な悟りを意味するとも、漱石の文学観とも解されている。「天てんに則のっとり私わたくしを去さる」と訓読する。
ぞうはんゆうり【造反有理】
体制に逆らうには道理があるということ。▽「造反」は謀反のこと。多く体制に追いつめられて起こす反乱をいう。毛沢東が革命戦争中に用いた言葉。のち文化大革命のときに、紅衛兵がスローガンの一つとして用いた。