いっぺきばんけい【一碧万頃】
海などの水面が、はるかかなたまで青々と広がっていること。▽「碧」は青・青緑・濃い青の色で、海や湖などのたとえ。「頃」は面積の単位。一頃は百畝ひゃっぽで、周代では百八十二アール、宋そう代では五百六十六アール。「万頃」はきわめて広いたとえ。
かいかつてんくう【海闊天空】
海や空がきわまりなく広がっていること。人の気性で心が広々として度量が大きく、何のわだかまりもないたとえ。また、言葉や発想などが限りなく広がるたとえ。▽「海闊」は大海が広々としていること。「天空」は空がからりと晴れ上がってどこまでも広いこと。「闊」は「濶」とも書く。「天空海闊てんくうかいかつ」ともいう。
かくぜんたいこう【廓然大公】
心が何のわだかまりもなくからっと広く、少しの偏りもないこと。君子が学ぶべき聖人の心をいう語。また、聖人の心を学ぶ者の心構えをいう語。▽「廓然」は心がからりと広いさま。「大公」は大いに公平で私心のないこと。「大」は「太」とも書く。
かざんたいれい【河山帯礪】
永久に変わらない堅い誓約のたとえ。また、国が永遠に栄え安泰であるたとえ。たとえ広い黄河が帯のように細くなり、高い泰山たいざんがすりへって砥石といしのように平らになるようなことがあっても、永久に変わることはない意から。▽「河」は黄河のこと。「山」は泰山の意。「礪」は砥石の意。
かちゅうぎひょう【夏虫疑氷】
見聞が狭いことのたとえ。見聞の狭い人は広い世界を理解しえないたとえ。見識の狭い人が自分の知らないことを信じようとしないこと。冬を知らない夏の虫は、冬に氷というものがあるのを信じない意から。▽見識や見聞が狭い人を卑しめていう語。「氷」は「冰」とも書く。一般に「夏虫かちゅう、氷こおりを疑うたがう」と訓読を用いる。
かんうんやかく【閑雲野鶴】
世俗に拘束されず、自由にのんびりと暮らすたとえ。また、自適の生活を送る隠士の心境のたとえ。大空にゆったりと浮かぶ雲と、広い野にいる野生のつるの意から。▽「閑雲」は大空にゆったりと浮かぶ雲。「野鶴」は野に気ままに遊ぶつる。何ものにもしばられない自由な生活のたとえ。「閑」は「間」とも書く。
かんせいのあ【坎井之蛙】
広い世間のことを知らず、自分だけの狭い見識にとらわれることのたとえ。
きうそうだい【気宇壮大】
心意気、度量や発想などが人並みはずれて大きいさま。▽「気宇」は心の持ち方、度量。「壮大」は非常に大きくて立派なさま。
くうくうばくばく【空空漠漠】
果てしもなく広いさま。また、とりとめもなくぼんやりしたさま。▽「漠漠」は広々としてはるかなさま。「空漠」を分けて、繰り返して強調した語。
こうらんしんしき【洽覧深識】
見聞がきわめて広く博識なさま。▽「洽覧」はあまねく見ること。書物をあまねく読むこと。「深識」は知識が深いこと。いずれも見聞や知識が広く深いことをいう。