しょうしんよくよく【小心翼翼】
本来は、慎み深くうやうやしいさまをいう語。転じて、気が小さく、びくびくしているさま。▽「小心」は注意深くする、慎み深いこと。また、気が小さいこと。「翼翼」は慎み深いさま、うやうやしいさま。「翼翼小心よくよくしょうしん」ともいう。
しんいんひょうびょう【神韻縹渺】
芸術作品などがもっている、表現しがたいきわめてすぐれた奥深い趣。▽「神韻」は詩文などのきわめてすぐれた趣。「縹渺」はかすかではっきりしない様子、ほのかに見えるさま。「渺」は「緲」「眇」とも書く。
しんこうこうるい【深溝高塁】
堅固な城塞じょうさいとりでのこと。また、守りの固いこと。深い掘り割りと高いとりでということから。▽「溝」はみぞで、ここは堀のこと。「塁」は土を重ねて作られた小城。
しんざんゆうこく【深山幽谷】
ほとんど人が入っていないような奥深く静かな大自然のこと。▽「深山」は人里遠く離れた奥深い山。「幽谷」は山奥深くにある静かな谷。
しんぼうえんりょ【深謀遠慮】
深く考えを巡らし、のちのちの遠い先のことまで見通した周到綿密な計画を立てること。また、その計画。▽「深謀」は奥深い見通しをもったはかりごと・考え。「遠慮」は、ここは将来について考え巡らす、遠く先のことをおもんぱかる、よくよく考える意。
じうはんぽ【慈烏反哺】
子が親の恩に報いて孝養を尽くすこと。親孝行のたとえ。情け深いからすが幼いときの恩を忘れず、老いた親に口移しで餌えさを与える意から。▽「慈烏」はからすの異称。からすは、幼いとき親が口移しで餌を与えてくれた恩を忘れず、成長すると親に餌を与えてその恩を返すという。「哺」は口中の食物のこと。
すいてんいっぺき【水天一碧】
水と空とが一続きになって、一様に青々としていること。▽「水天」は水と空、海と空。「一碧」は一面に青い色となること。「碧」は深い青色、あおみどり。
せいしにくこつ【生死肉骨】
窮地にあるときに助けてくれた人の大恩のこと。また、恵みや施しの非常に深いこと。落ち目の人を救い上げること。死んだ者を生き返らせ、しかばねの白骨に肉をつける意から。▽「死しを生いかして骨ほねに肉にくす」と訓読する。
ぜんなんぜんにょ【善男善女】
仏道の教えに帰依した人々。後に広く仏教を信仰する人々のことを指す。また、寺院に参詣したり霊場を巡礼したりする人を指す語。▽仏教語。良家の男子・女子という意味の梵語ぼんごの意訳。彼らは前世あるいは今世に善行を積んだので、在家の身で仏法を聞くことができたとされる。
ぜんにゅうかきょう【漸入佳境】
話や状況などがだんだん興味深い部分にさしかかってくること。▽「漸入」はだんだんその段階に入っていくこと。「佳境」はよい境地、最も興味深くおもしろいところ。一般に「漸ようやく佳境かきょうに入いる」と訓読を用いる。