1. 動物の、胴体から分かれ、からだを支えたり歩行に使ったりする部分。「—が長い」

    2. ㋑くるぶしから先の部分。「—が大きい」

  1. 物の下・末にあたる部分

    1. ㋐物の本体を支える、突き出た部分。また、地面に接する部分。「机の—」

    2. ㋑(脚)漢字構成する部分で、上下の組み合わせからなる漢字下側部分。「照」の「灬(れっか)」、「志」の「心(したごころ)」など。

    3. 数学で、ある一点から直線または平面に垂線をおろしたときの、その直線・平面と垂線との交点

    4. ㋓船の、水につかる部分

    1. ㋐歩くこと。走ること。また、その能力。「—を速める」「—の速い選手

    2. ㋑雨・雲・風などの動くようすを足に見立てていう語。「細い雨の—」

  1. 行くこと。また、来ること。「客の—がとだえる」

  1. 移動手段としての交通機関。乗りもの。「—の便がいい」

  1. 《「晋書」魯褒伝の「足無くして走る」から》金銭。ぜに。多く「おあし」の形で用いる。「お—が足りない」

    1. 「多くの—を賜ひて」〈徒然・五一〉

  1. 餅 (もち) などの粘り。「—の強い餅」

  1. 損失欠損。また、借金

    1. 「おっしゃる通り—だらけで江戸に居られず」〈伎・音聞浅間幻灯画〉

  1. 足金物 (あしかなもの) 。

  1. 10 (足)過去相場の動きぐあい。

[補説]哺乳動物には2本の前肢と2本の後肢があるが、ヒトでは前肢上肢(手)、後肢下肢(足)という。骨盤の下から足首までを「脚」(leg)、くるぶしから先を「足」(foot)と書いて区別することがある。

イネ科の多年草。根茎地中をはい、沼や川の岸に大群落をつくる。高さは2〜3メートルになり、茎は堅く、円柱形で、細長い葉が互生する。穂は秋に出て紫色から紫褐色に変わる。若芽食用になり、茎ですだれを作る。よし。 秋》「日の暮れや—の花にて子をまねく/一茶

[形シク](「よし」に対して)物事のありさまがよくない。また、不快な感じをもつさま。
  1. 本性・本質気分状態などについていう。

    1. ㋐快くない。

      「このもとの女—・しと思へるけしきもなくて」〈伊勢・二三〉

    2. ㋑不都合だ。

      「ここには弓場 (ゆみば) なくて—・しかりぬべしとて」〈かげろふ・中〉

    3. 容姿が悪い。みにくい。

      「よき女といへど、ひとりあるは、—・しき二人に劣りたるものなれば」〈宇津保・吹上上〉

    4. ㋓貧しい。

      「いかにしてあらむ。—・しうてやあらむ、よくてやあらむ」〈大和・一四八〉

    5. 粗末だ。粗悪だ。

      「下衆 (げす) 女のなり—・しきが子負ひたる」〈・一二二〉

    6. ㋕不適当だ。ふさわしくない。

      「かかる御ありきし給ふ、いと—・しきことなり」〈大和・二〉

    7. ㋖(技能などが)へただ。まずい。

      「中納言、—・しく探ればなきなり、と腹立ちて」〈竹取

    8. ㋗(自然状況が)険悪だ。

      「けふ、風雲のけしき、はなはだ—・し」〈土佐

  1. (正・善に対して)よくない。不正だ。

    1. 「昔の犯しの深さによりて、—・しき身を受けたり」〈宇津保・俊蔭〉

  1. (吉に対して)運・縁起などが凶だ。

    1. 「例の所には方—・しとてとどまりぬ」〈かげろふ・中〉

  1. 動詞の連用形に付いて)…することがいやだ。…しにくい。

    1. 他国 (ひとくに) は住み—・しとそいふ速 (すむや) けくはや帰りませ恋ひ死なぬとに」〈・三七四八〉

[補説](1) 現代語では、「よし」と対を成す形で「よしあし」「よかれあしかれ」「よきにつけあしきにつけ」などの語句の中にみられるほか、連体形「あしき」の形で「あしき前例を残す」など文章語的に用いられ、また、「あしからずご了承ください」「折あしく出張中だった」のような語形に用いられる。(2) 口語形「あしい」は、中世に生じたが今は用いられない。→悪 (あ) しい

出典:青空文庫

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2023年11月