1. ある方向場所などに近づいて位置すること。また、その位置。「新ビルが駅—に建つ」「北—の風」「右—の思想

  1. 人などが集まること。また、その集まりぐあい。「人の—がいい」

  1. できものなどが1か所に固まること。また、その固まり。「あせもの—」

  1. 相撲で、相手のまわしを取り、体を合わせるようにして土俵際に進むこと。「怒濤 (どとう) の—を見せる」

  1. 寄り付き5」の略。

  1. 釣りで、魚が多く集まっている所。

選び出すこと。より分けること。選択。「一粒—」

よること。また、よったもの。「糸に—をかける」

[副]助詞「より」から。欧文翻訳で用いられ広まった語》一段程度がまさるさま。いっそう。「他の者に比べて、彼は—勤勉だ」「—よい社会
[格助]名詞、活用語の連体形、副詞一部助詞などに付く。
  1. 比較標準基準を表す。「思った—若い」「以前—腕があがった」

    1. 「おなじ程、それ—下﨟 (げらふ) の更衣たちは、まして安からず」〈桐壺

  1. ある事物を、他との比較対照としてとりあげる意を表す。「僕—君のほうが金持ちだ」「音楽美術の道へ進みたい」

    1. 「その人、かたち—は、心なむまさりたりける」〈伊勢・二〉

  1. (打消しの語と呼応して)それに限定するという意を表す。「そうする—ほかはない」「狭いが、ここで寝る—しかたがない」

    1. 「ひとりの娘—ほかにやるものがござらぬ」〈浮・胸算用・二〉

  1. 動作作用起点を表す。…から。「午前一〇時—行う」「父—手紙が届いた」「東—横綱登場」

    1. 「うたたねに恋しき人を見てし—夢てふものはたのみそめてき」〈古今・恋二〉

  1. 事柄理由原因出自を表す。…がもとになって。…から。…のために。

    1. 百薬の長とはいへど、万 (よろづ) の病は酒—こそ起これ」〈徒然・一七五〉

  1. 動作移動・経由する場所を表す。…を通って。…を。…から。

    1. 「木 (こ) の間 (ま) —もりくる月の影見れば心づくしの秋はきにけり」〈古今・秋上〉

  1. 動作作用手段方法を表す。…によって。…で。

    1. 「他夫 (ひとづま) の馬—行くに己夫 (おのづま) し徒歩 (かち) —行けば見るごとに音 (ね) のみし泣かゆ」〈・三三一四〉

  1. (活用語の連体形に付き)ある動作作用のあと、すぐ別の動作作用の起こる意を表す。…とすぐ。…と同時に。…や否や。→からゆりよりかよりも

    1. 三里に灸 (きう) すうる—、松島の月まづ心にかかりて」〈奥の細道

[補説]古語ではかなり広く種々の意味に用いられたが、現代語では、比較基準を表す用法が主で、その他の用法は、中世末ごろから「から」「にて」「で」などに譲っている。なお、4は、多く書き言葉や、改まった言い方に用いられる。
[接尾]助数詞。回数を数えるのに用いる。たび。回。
  • 「僧も俗もいま一—とよみて、額をつく」〈紫式部日記

出典:青空文庫

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2023年11月