1 名詞に付く。
㋐尊敬の意を表す。相手または第三者に属するものに付いて、その所属、所有者を敬う場合と、敬うべき人に対する自己の物や行為に付いて、その対象を敬う場合とがある。「先生の―話」「―手紙を差し上げる」
㋑丁寧に、または上品に表現しようとする気持ちを表す。「―米」
2 女性の名に付いて、尊敬、親しみの意を表す。「―花さん」
3 動詞の連用形に付く。
㋐その下に「になる」「なさる」「あそばす」「くださる」などの語を添えた形で、その動作主に対する尊敬の意を表す。「―連れになる」「―書きなさる」「―読みあそばす」「―話しくださる」
㋑その下に「する」「いたします」「もうしあげる」などの語を添えた形で、謙譲の意を表し、その動作の及ぶ相手を敬う。「―連れする」「―書きいたします」「―話しもうしあげる」
㋒その下に「いただく」「ねがう」などの語を添えた形で、相手にあることをしてもらうことをへりくだって言う。「―買い上げいただく」「―引き取りねがう」
4 動詞の連用形に付いて、軽い命令を表す。「用がすんだら早く―帰り」「―だまり」
5 動詞の連用形や形容動詞の語幹に付いて、その下に「さま」「さん」を添えた形で、相手に対する同情やねぎらい、なぐさめの気持ちを表す。「―疲れさん」「―待ち遠さま」「―気の毒さま」
6 形容詞・形容動詞に付く。
㋐尊敬の意を表す。「―美しい」「―元気ですか」
㋑丁寧、または上品に表現しようとする気持ちを表す。「―寒うございます」「―りこうにしていなさい」
㋒謙譲または卑下の意を表す。「―恥ずかしいことです」
㋓からかい、皮肉、自嘲 (じちょう) などの気持ちを表す。「―高くとまっている」「―熱い仲」