たりきほんがん【他力本願】
自分の力でなく、他人の力によって望みをかなえようとすること。▽「本願」は仏が修行しているときに立てた誓い。本来は阿弥陀如来あみだにょらいの本願によって極楽往生ごくらくおうじょうを得ること。
ちんぎょらくがん【沈魚落雁】
魚や雁がんも恥じらって、身を隠すほどの美人。▽もともとは『荘子そうじ』斉物論せいぶつろんに見える逸話で、人間の基準での美人を見ても魚や鳥は逃げるだけだという、価値の相対性を表した語。「落雁沈魚らくがんちんぎょ」ともいう。
てつじゅかいか【鉄樹開花】
いつまで待っても見込みがないたとえ。また、きわめてまれなことのたとえ。また、固定していて不変と思われていたものが、実は変わることのたとえ。▽仏教語。「鉄樹」は鉄でできた木。また、広西に産し、六十年に一度、丁卯ひのとうの年にだけ花が咲くという木のこと。ありえないこと、また、めったに来るものではないことからいう。「鉄樹てつじゅ花はなを開ひらく」と訓読する。
どほうがかい【土崩瓦解】
土が崩れ、かわらがばらばらに砕けるように、物事が崩れて手の付けようがないたとえ。▽「瓦解」は一部分の崩れから、全体がばらばらになること。「瓦解土崩がかいどほう」ともいう。
ひゃっきやこう【百鬼夜行】
悪人どもが時を得て、勝手に振る舞うこと。また、多くの人が怪しく醜い行為をすること。▽「百鬼」はいろいろな妖怪ようかいのこと。「夜行」は暗夜に列をなして歩き回ること。多くの化け物が、夜中に行列をつくって歩き回る意から。「行」は「ぎょう」とも読む。
らいらいらくらく【磊磊落落】
心が大きく、些細ささいなことにこだわらないさま。▽小事にこだわらず、さっぱりしている意の「磊落」のそれぞれの語を重ねて、意味を強調した語。
らくひつてんよう【落筆点蠅】
過ちをうまく処理して、逆に上手に仕上げること。画家のすぐれた技をいうたとえ。誤って筆を落としてつけた墨の汚れを、うまく蠅はえに描く意から。▽「落筆」は筆を落とすこと。「点」は描く意。「落筆らくひつ蠅はえを点てんず」と訓読する。
らっかろうぜき【落花狼藉】
物が散乱すること。また、女性に乱暴な行為に及ぶこと。▽「落花」は花が散って地面に落ちたもの。「狼藉」は無秩序に散らかったさま。おおかみが寝た跡は草が乱れていることから生まれた語。花びらが乱れ散った様子をいう。また、花を女性に見立てて、女性に乱暴をはたらく意をも表す。
らんしんぞくし【乱臣賊子】
国に害を与える悪い家臣と、親の心に背いて悪事をはたらく子供。人の踏み行うべき道に外れ、悪事をはたらく者の意。▽「乱臣」は主君の恩情に背き国を乱す家臣のこと。主君に反逆する家来。「賊子」は親不孝なことをして、悪い道に入ってゆく子供の意。
らんぼうろうぜき【乱暴狼藉】
粗野な言動をすること。また、考えもなく思いつくままに暴れたり、無法な行為をはたらいたりすること。▽「狼藉」はここでは「乱暴」とともに、荒々しく支離滅裂な行動、無法な振る舞いをする意。