くんしふき【君子不器】
器物はある用途にのみ有効であるが、君子はそうした一能一芸にのみすぐれるのではなく、広く何事にも通用する才能をもつということ。▽「君子」は教養や徳の高い立派な人。人格者。一般に「君子くんしは器きならず」と訓読を用いる。
こうざいしっそく【高材疾足】
知勇を兼ね備えた、すぐれた人物のたとえ。すぐれた才能や能力をもった者のたとえ。▽「高材」はすぐれた才能。「疾足」は足の速いこと。「材」は「さい」とも読み、「才」とも書く。
こうちゅうないじゅん【黄中内潤】
才能や徳が内に充実していること。また、それを内に深くしまい込んで外に表さないこと。▽「黄中」は中庸の美徳が内にあること。美徳が内に充実していること。「黄」は五行ごぎょうで中央の色に配当され、「中」は中庸の徳をいう。「黄中」は『易経えききょう』坤こんにある語。「内潤」は内にあるつやの意。また、内が徳で潤っていること。内に充実した才能や徳をいう。
こんちべんこう【困知勉行】
才能に恵まれない者が発憤し、ひたむきに努力を重ねること。人が踏み行うべき人倫の道を認識し実践していく三つの道程、「生知安行」「学知利行」「困知勉行」の第三。▽「勉行」はひたすら努力して実践すること。修養には先の三段階があるが、道が違うのみで結果は同じであるから才能の劣った者でも努力すべきことをいう語。
さいきかんぱつ【才気煥発】
すぐれた才能が外にあふれ出ること。またそのさま。▽「才気」はすぐれた才能。すぐれた頭のはたらき。「煥発」は輝き現れるさま。「煥」は明らかなさま。輝き現れるさま。
さいしかじん【才子佳人】
才知のすぐれた男子と、美人の誉れ高い女子。理想的な男女のこと。▽「才子」は才知のあるすぐれた人。「佳人」は美しい人。「佳人才子かじんさいし」ともいう。
さいしたびょう【才子多病】
才知にすぐれた人は、とかくからだが弱く病気がちであるということ。▽「才子」は才知のあるすぐれた人。
さいしょくけんび【才色兼備】
すぐれた才能と美しい容姿の両方をもっていること。多くは女性についていう。▽「才色」は才知・才能と顔かたちのこと。「兼備」は兼ね備えること。「色」は「しき」「そく」とも読む。
しけんはっと【子建八斗】
中国六朝りくちょう時代、宋そうの謝霊運しゃれいうんが三国時代の魏ぎの曹植そうしょくの詩才を賞賛した語。天下の才能が一石いっこくあるとすれば、曹植の詩才は一人で八斗を有するという意。▽「子建」は曹植の字あざな。「斗」は容量の単位。一石は十斗。『蒙求もうぎゅう』の一句。
はくらくのいっこ【伯楽一顧】
鑑識眼のある実力者から才能を認められて、重用されること。また、その才能を発揮すること。