いちごいちじゅう【一伍一什】
事の始めから終わりまで。最初から最後まで全部もれなく、すべて。▽一から十までということで、すべての意。「一五一十」とも書く。
かいぶつせいむ【開物成務】
万物を開発してあらゆる事業を完成させること。また、人々の知識を開いて世の中の事業を成就させること。人間や禽獣きんじゅうに至るまで、閉じふさがり通じないものを開き、それぞれの事物の当然の職務や事業を成就し完遂させる意から。もと易えきの目的を述べた語。▽「開」は閉じふさがり通じないものを開き発展させる意。「物」は万物。「成」は成就の意。「務」は職務・事業の意。略して「開成」ともいう。「物ものを開ひらき務つとめを成なす」と訓読する。
かくぶつちち【格物致知】
物事の道理や本質を深く追求し理解して、知識や学問を深め得ること。『大学』から出た語で、大きく分けて二説ある。宋そうの朱熹しゅきは出典を「知を致いたすは物に格いたるに在り」と読んで、自己の知識を最大に広めるには、それぞれの客観的な事物に即してその道理を極めることが先決であると解釈する。一方、明みんの王守仁おうしゅじん(王陽明)は「知を致すは物を格ただすに在り」と読んで、生まれつき備わっている良知を明らかにして、天理を悟ることが、すなわち自己の意思が発現した日常の万事の善悪を正すことであると解釈している。他にも諸説ある。▽「致知格物ちちかくぶつ」ともいう。
こおうこんらい【古往今来】
昔から今に至るまで。昔から。▽「古往」は昔。いにしえ。「今来」は今に至るまで。「今来」は「きんらい」とも読む。また、「今来古往こんらいこおう」ともいう。
ここんどっぽ【古今独歩】
昔から今に至るまでで比べるものがないほどすぐれていること。▽「古今」は昔から今までの意。「独歩」は他に並ぶものがないほどすぐれていること。
ざいざいしょしょ【在在所所】
そこかしこ。あちらこちら。また、至るところ。▽「在在」「所所」はともに、あそこここの村里、あちこちの場所の意。「所所在在しょしょざいざい」ともいう。
ししそんそん【子子孫孫】
末代まで。孫子まごこの代まで。代々。子孫の続く限りの意。▽「子孫」を重ねて強めた語。「孫孫」は「そんぞん」とも読む。
しんたいはっぷ【身体髪膚】
人間のからだ全体のこと。全身。▽「身体」はからだ。「髪膚」は髪の毛と皮膚の意。ここから、からだ全体をいう。からだは父母から受けた大切なものの意が込められ、出典に「身体髪膚之これを父母に受く、敢あえて毀傷きしょうせざるは孝の始めなり」とある。
じゅうまんおくど【十万億土】
この世から、阿弥陀仏あみだぶつがいるという極楽浄土に至るまでの間に、無数にあるという仏土。転じて、極楽浄土のこと。非常に離れている意味にも用いられる。▽仏教語。「億」は非常に大きな単位の意で、「十万億土」は非常に多いという意味。
せんこふえき【千古不易】
永遠に変化しないこと。価値などが長年にわたり変化しないこと。▽「千古」は太古、遠い昔。また、そのときから現在に至るまでの長い時間。「不易」は変化しないこと。「易」を「えき」と読むときは変わる、変化するの意。