[動ラ五(四)]《「移る」と同語源》
  1. 写真に姿・形が現れる。写真が撮れる。「にやけた顔で—・っている」

  1. 下にある文字や絵が、紙などを通して、透けて見える。「裏のページの絵が—・って読みにくい」

[動ラ五(四)]《「移る」と同語源》
  1. 姿・形・影などが、反射投影によって、他の物の上に現れる。「鏡に—・った顔」「障子に—・る人影」

  1. 映像がスクリーンやブラウン管などの上に現れる。「電波障害でテレビがよく—・らない」

  1. 色や物の配合がよく、つりあいがとれている。また、付属的なものが本体調和する。「あの人には赤がよく—・る」「その背広にはストライプのネクタイがよく—・る」

  1. 人の目にある印象を与える。映ずる。「初めての人には奇異に—・る風習

[動ラ五(四)]

  1. 位置が変わる。

    1. 場所地位配置などが変わる。「新居に—・る」「営業部に—・る」

    2. ㋑(遷る)移転する。「都が—・る」

    1. 関心対象が変わる。「興味がほかに—・った」

    2. 物事や人の性質傾向状態などが変わる。「次の議題に—・る」「すぐさま行動に—・る」

  1. 時間が過ぎる。「時代が—・る」

  1. 色やにおいなどが他の物に染みつく。「石鹸 (せっけん) のにおいが—・る」

  1. 病気や物の勢い・傾向などが他に及ぶ。「風邪が—・る」「火が隣家に—・った」「父の癖が子供にも—・る」

  1. 時が経過して色があせる。色がさめる。

    1. 「花の色は—・りにけりないたづらに我が身よにふるながめせしまに」〈古今・春下〉

  1. 花や葉が散る。

    1. 「今日だにも庭を盛りと—・る花消えずはありとも雪かとも見よ」〈新古今・春下〉

  1. 霊魂などがのりうつる。

    1. 「物の怪 (け) 、生霊 (いきすだま) などいふもの、多く出で来て、さまざまの名のりする中に、人にさらに—・らず」〈・葵〉

[可能]うつれる

出典:青空文庫

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