てんい-むほう【天衣無縫】
物事に技巧などの形跡がなく自然なさま。天人・天女の衣には縫い目がまったくないことから、文章や詩歌がわざとらしくなく、自然に作られていて巧みなこと。また、人柄が飾り気がなく、純真で無邪気なさま、天真爛漫らんまんなことをいう。また、物事が完全無欠である形容にも用いられることがある。▽「天衣」は天人・天女の着物。「無縫」は着物に縫い目のないこと。「無縫天衣むほうてんい」ともいう。
- 出典
- 『霊怪録れいかいろく』郭翰かくかん
- 句例
- 天衣無縫な文章
- 用例
- すべてが型破りで、それで天衣無縫の善智識で、なおかつ八十八歳の高齢を全うされたお方だ、と話してきかせた。<野上弥生子・秀吉と利休>
- 類語
- 純真無垢じゅんしんむく 天真爛漫てんしんらんまん
- 活用形
- 〈―ナ〉