[動ア下一][文]さ・ゆ[ヤ下二]
  1. 寒さが厳しくなる。しんしんと冷え込む。「—・えた冬の夜」 冬》「—・ゆる夜の瓦 (かはら) 音ある礫 (こいし) かな/碧梧桐

  1. くっきりと澄む。はっきりと見える。「冬の夜空に星が—・える」

  1. 楽器の音などが、濁りがなく鮮明である。「—・えたバイオリンの音色」

  1. 色が鮮やかである。顔色や表情についてもいう。「—・えたピンク」「顔色が—・えない」

  1. 頭の働きやからだの調子などがはっきりする。「今日は頭が—・えている」「目が—・えて眠れない」「気分が—・えない」

  1. 腕まえや手際などが鮮やかで優れている。「腕の—・えた職人」「包丁さばきが—・える」

  1. (多く打消しの語を伴って)ぱっとしない。満足できない。「景気の先行きがいまひとつ—・えない」「—・えないかっこう」

[動ア下一][文]さ・ふ[ハ下二]
  1. さまたげる。じゃまする。

    1. 「恋は到底痴 (おろか) なもの、少し—・えられると、直ぐ死にたき思いになる」〈左千夫・春の潮〉

  1. (多く「気にさえる」の形で)気にさわる。

    1. 何卒 (どうぞ) お気に—・えなされず」〈木下尚江良人の自白

  1. さわる。ふれる。

    1. 「折々手を—・へ袖を動かしけるに」〈浮・栄花一代男・二〉

出典:青空文庫

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