れいてい-こく【零丁孤苦】
落ちぶれ
貧窮して、
周囲に助ける者もなく、
孤独なこと。苦しい生活を送ること。▽「零丁」は落ちぶれて
孤独なこと。「孤苦」は身寄りがなく、たいへん貧しいこと。中国晋
しんの李密
りみつが
武帝から召されたとき、
任官を
辞退したい旨を
上表した文の中の語。「孤苦零丁
こくれいてい」ともいう。
- 出典
- 李密りみつ「陳情表ちんじょうひょう」
- 用例
- それを昇は、官途を離れて零丁孤苦、みすぼらしい身になったといって、文三を見くびって、失敬にも無礼にも、復職ができたらこの上がなかろうといった。<二葉亭四迷・浮雲>
- 故事
- 李密は病に臥ふせる祖母を、日夜帯も解かずに看病していて、「私は不幸な運命に生まれ、幼くして孤児になり祖母の手によって育ちましたが、幼いころから病弱で、九歳になっても出歩くことができず、零丁孤苦して成人しました」と言ったという故事から。