こん【鯀】
中国古代の伝説上の人物。夏の禹(う)王の父。尭帝に仕えて大水を治めようとして失敗し、舜帝によって追放されたといわれる。
こん‐かんいち【今官一】
[1909〜1983]小説家。青森の生まれ。日本浪曼派(にほんろうまんは)に参加、叙情的なタッチで戦争体験や歴史をテーマとする小説を執筆した。「壁の花」で直木賞受賞。他に「幻花行」「牛飼いの座」など。
コングリーブ【William Congreve】
[1670〜1729]英国の劇作家。王政復古期の上流社会を軽妙に描いた風俗喜劇の代表者。作「世の習い」など。
こんごう‐いわお【金剛巌】
[1886〜1951]能楽師。シテ方金剛流。京都の生まれ。本名、岩雄。23世宗家金剛右京の没後、シテ方四流家元の推挙によって新宗家(通称、野村金剛)をたて、初世となる。
こんごう‐うきょう【金剛右京】
[1872〜1936]能楽師。シテ方金剛流23世宗家。東京の生まれ。幼名、鈴之助。大胆華麗な演技で早技にも長じていたが、大和猿楽坂戸座から続く家筋の坂戸金剛を廃絶させた。
こんごう‐ち【金剛智】
仏の智慧。きわめて堅固な智慧。 [補説]人名別項。→金剛智
こんごうち【金剛智】
《(梵)Vajrabodhiの訳》[671〜741]中国、唐代の僧。中インドの王子とも南インドのバラモンの出身ともいう。竜智に密教を学び、これを洛陽・長安で広めた。仏典の漢訳も多い。密教付法の八...
コン‐シアンシー【孔祥熙】
⇒こうしょうき(孔祥熙)
コンスタブル【John Constable】
[1776〜1837]英国の画家。新鮮な色彩と外光描写で自然のままの姿を表現し、フランスの風景画家やロマン派の画家にも影響を与えた。
コンスタン【Benjamin Constant de Rebecque】
[1767〜1830]フランスの小説家・政治家。スタール夫人とともにナポレオンの政策を批判。自伝的小説「アドルフ」は代表作で近代心理小説の先駆とされる。
コンスタンティヌス‐いっせい【コンスタンティヌス一世】
《Flavius Valerius Constantinus Ⅰ》[274?〜337]ローマの皇帝。在位306〜337年。混乱した帝国を再統一し、専制体制を確立。313年ミラノ勅令を発してキリス...
こんちいん‐すうでん【金地院崇伝】
⇒崇伝(すうでん)
コンデ【Maryse Condé】
[1937〜2024]フランスの小説家。仏領グアドループ出身。アフリカの国々でフランス語を教えた後に作家デビュー。アフリカのマリを舞台にした歴史小説「セグー」はベストセラーとなり、多くの言語に翻...
コンディヤック【Étienne Bonnot de Condillac】
[1715〜1780]フランスの哲学者。ロックの経験論を徹底させた感覚論哲学をうちたてた。著「感覚論」「体系論」など。
コント【Auguste Comte】
[1798〜1857]フランスの哲学者・社会学者。人間の知的発展は、神学的・形而上学的・実証的の三段階をたどるものとし、社会学の体系を樹立した。のち、宗教に傾き、人類教を唱えた。著「実証哲学講義...
こん‐とうこう【今東光】
[1898〜1977]小説家・僧侶・政治家。神奈川の生まれ。日出海(ひでみ)の兄。一時文壇から離れて天台宗の僧となるが、その後文壇に復帰。大阪の風土や人情を描いた小説で知られる。「お吟さま」で直...
こんどう‐いさみ【近藤勇】
[1834〜1868]江戸末期の幕臣。新撰組隊長。武蔵の人。名は昌宜(まさよし)。京都守護職松平容保(まつだいらかたもり)の下で新撰組を組織し、尊攘(そんじょう)派を弾圧。戊辰(ぼしん)戦争で敗...
こんどう‐けいたろう【近藤啓太郎】
[1920〜2002]小説家。三重の生まれ。「第三の新人」の一人。「海人舟(あまぶね)」で芥川賞受賞。美術評論も手がける。他に「海」「微笑」、随筆「奥村土牛(とぎゅう)」など。
こんどう‐じゅうぞう【近藤重蔵】
[1771〜1829]江戸後期の幕臣。北方探検家。名は守重。寛政10年(1798)松前蝦夷地御用役として、蝦夷地を探検し、択捉(えとろふ)に「大日本恵土呂府」の木標を建てた。のち、書物奉行。著「...
こんどう‐へいざぶろう【近藤平三郎】
[1877〜1963]薬学者。静岡の生まれ。ドイツに留学。天然物有機化学を研究し、各種のアルカロイドを発見した。文化勲章受章。
こんどう‐よしき【近藤芳樹】
[1801〜1880]幕末・明治初期の国学者・歌人。周防(すおう)の人。本居大平の門下。維新後、宮内省文学御用掛となった。著「明治孝節録」「寄居歌談」など。
コンドラチェフ【Nikolay Dmitrievich Kondrat'ev】
[1892〜1938]ソ連の経済学者。資本主義経済の景気変動の波「コンドラチェフの波」を発見。スターリン時代に政府の農業政策に反対し、反体制の罪で逮捕・処刑された。
コンドル【Josiah Conder】
[1852〜1920]英国の建築家。明治10年(1877)来日。鹿鳴館・ニコライ堂などを設計し、西洋建築の導入に尽力した。コンダー。
コンドルセ【Marie-Jean-Antoine Nicolas de Caritat Condorcet】
[1743〜1794]フランスの数学者・思想家・政治家。1791年、立法議会の議員、公教育委員会議長となり、国民教育制度の構想を報告。ジロンド憲法草案作成に参加したが、のち逮捕され、獄中で死亡。...
こんぱる‐ぜんちく【金春禅竹】
[1405〜1470ころ]室町中期の能役者・能作者。名は七郎氏信。禅竹は法名。大和猿楽の金春座中興の名手。世阿弥の女婿。作品に「芭蕉」「定家」、理論書に「六輪一露之記」など。
こんぱる‐ぜんぽう【金春禅鳳】
[1454〜1520ころ]室町後期の能役者・能作者。名は八郎元安。禅鳳は法名。禅竹の孫。金春座大夫として、観世座と対抗。作品に「一角仙人」「嵐山」、理論書に「毛端私珍抄」「反古裏之書」など。
こん‐ひでみ【今日出海】
[1903〜1984]小説家・評論家。北海道の生まれ。東光(とうこう)の弟。戦後、文部省に入省し、昭和43年(1968)文化庁初代長官となり文化行政に貢献する。「天皇の帽子」で直木賞受賞。他に「...
コンプトン【Arthur Holly Compton】
[1892〜1962]米国の物理学者。X線に関するコンプトン効果を発見。のち、宇宙線を研究。原子爆弾開発のマンハッタン計画では指導的地位にあった。1927年ノーベル物理学賞受賞。
コンラッド【Joseph Conrad】
[1857〜1924]英国の小説家。ポーランド生まれ。船員生活の体験の海洋小説のほか政治小説を発表。人間の倫理性の問題を追究した。作「ナーシサス号の黒人」「闇の奥」など。
こん‐わじろう【今和次郎】
[1888〜1973]建築学者・風俗研究家。青森の生まれ。東京美術学校卒。早大教授。民家研究で知られ、また風俗・世相を研究する考現学を提唱。著作に「日本の民家」「考現学」など。