ばい‐ぎょうしん【梅尭臣】
[1002〜1060]中国、北宋の詩人。宛陵(安徽省)の人。字(あざな)は聖兪(せいゆ)。技巧をこらした西崑(せいこん)派の詩風に反対し、感情の率直な表出を主張した。「宛陵集」60巻がある。
ばいさ‐おう【売茶翁】
[1675〜1763]江戸中期の黄檗(おうばく)宗の僧。肥前の人。俗名、柴山元昭。万福寺で修行。京都東山で売茶業を営みながら生涯を送った。煎茶道を広めたとされる。晩年は僧をやめ、高遊外(こうゆう...
ばいてい‐きんが【梅亭金鵞】
[1821〜1893]江戸末期・明治初期の戯作者。江戸の人。本名、瓜生政和。滑稽本「七偏人」、人情本「柳之横櫛」などを執筆。維新後は風刺雑誌「団団珍聞(まるまるちんぶん)」の主筆として活躍。
バイバルス【Baybars】
[1228ころ〜1277]マムルーク朝第5代のスルターン。在位1260〜1277。モンゴル軍・十字軍と戦い、王朝の基礎を固めた。アラブの英雄譚「バイバルス物語」の主人公。
バイヤー【Johann Friedrich Wilhelm Adolf von Baeyer】
[1835〜1917]ドイツの化学者。有機化合物の構造を研究、合成法を開拓し、インジゴをはじめ多くの合成染料を作り出した。1905年ノーベル化学賞受賞。
ばい‐らんほう【梅蘭芳】
⇒メイ=ランファン(梅蘭芳)
バイルシュタイン【Friedrich Konrad Beilstein】
[1838〜1906]ロシアの化学者。有機化合物の叢書をなす「有機化学便覧」を最初に編集。ニトロトルエンの合成、ハロゲン検出法のバイルシュタイン法の発明などの業績もある。
バイロン【George Gordon Byron】
[1788〜1824]英国の詩人。社会の偽善を痛罵(つうば)・風刺し、生の倦怠(けんたい)と憧憬(しょうけい)をうたいあげ、ロマン派の代表者となる。欧州各国を放浪、ギリシャ独立戦争に参加して病死...
バウアー【Bruno Bauer】
[1809〜1882]ドイツの哲学者・神学者。弟エドガーとともにヘーゲル左派の指導者として聖書を批判、キリストの神性と実在性を否定した。著「ヨハネ福音書批判」など。
バウムガルテン【Alexander Gottlieb Baumgarten】
[1714〜1762]ドイツの哲学者。ライプニッツ‐ウォルフ学派に属する。感性的認識の学を哲学の一部門として樹立し、美学の創始者とされる。著「形而上学」「美学」など。
ば‐えいきゅう【馬英九】
[1950〜 ]台湾の政治家。香港に生まれ、直後に台湾に移住。米国で弁護士として活動し、1981年に帰国。蒋経国・李登輝のもと中国国民党で累進。台北市長などを経て2008年の総統選挙に勝利して就...
ば‐えん【馬遠】
中国、南宋の画院画家。河中(山西省)の人。字(あざな)は欽山。夏珪(かけい)とともに南宋の院体山水画を代表し、「馬夏」と並称される。日本の室町期の山水画に大きな影響を与えた。生没年未詳。→残山剰...
バオ‐ダイ【Bao Dai】
[1914〜1997]ベトナム、阮朝第13代皇帝。在位1925〜1945。第二次大戦後退位。のち、ベトナム民主共和国に対抗し、1949年フランスの支援のもとにベトナム国元首となったが、1955年...
バカラック【Burt Bacharach】
[1928〜2023]米国の作曲家。作詞家ハル=デビッドとのコンビで多くのヒット曲を発表。映画音楽やミュージカル作品も手がけた。作品に「恋よ、さようなら」「雨にぬれても」など。
バクーニン【Mikhail Aleksandrovich Bakunin】
[1814〜1876]ロシアの革命家。無政府主義者。1840年代、ヨーロッパ各地の革命に参加したが捕らえられ、シベリアに流刑。1861年、脱走して日本・アメリカを経て、ロンドンに亡命。第一インタ...
ば‐けんちゅう【馬建忠】
[1844〜1900]中国、清末の学者・官僚。丹徒(江蘇省)の人。字(あざな)は眉叔。フランスに遊学し、ヨーロッパの学問方法を取り入れた多くの研究を残した。李鴻章(りこうしょう)の幕僚として外交...
バザーリ【Giorgio Vasari】
[1511〜1574]イタリアの画家・建築家・文筆家。13世紀以降のイタリアの美術家とその作品を扱った「美術家列伝」を著した。
バシュラール【Gaston Bachelard】
[1884〜1962]フランスの科学哲学者・文学批評家。構造主義の先駆者の一人。科学的認識の獲得のために、前科学的な思考との断絶を求めた「認識論的切断」で知られる。のちには詩的想像力の領域に論を...
ばしょう【芭蕉】
⇒松尾芭蕉(まつおばしょう) 山本健吉によるの評論。昭和30年(1955)から昭和31年(1956)にかけて「その鑑賞と批評」「奥の細道まで」「終焉まで」の全3部を刊行。著者は本作の功績な...
ば‐しょく【馬謖】
[190〜228]中国、三国時代の蜀漢(しょっかん)の武将。字(あざな)は幼常。諸葛亮(しょかつりょう)に重用され、先鋒の総大将に任ぜられたが、軍令に背いて戦い敗北したので、軍律に従い、亮が涙を...
バシリウス【Basilius】
[330ころ〜379]ギリシャの教父。アリウス派と論争し、正当教義の確立に尽くした。東方正教会の修道生活の父とよばれる。大バシリウス。バシレイオス。
バジョット【Walter Bagehot】
[1826〜1877]英国の経済学者・ジャーナリスト。雑誌「エコノミスト」の主筆として活躍。著作「ロンバード街」では、イングランド銀行の最後の貸し手としての役割を論じた。他の著作に、政治学の古典...
バスコ‐ダ‐ガマ【Vasco da Gama】
[1469?〜1524]ポルトガルの航海者。1497年にリスボンを出航、翌年アフリカ南端の喜望峰を回ってインドのカリカット(現コージコード)に達し、東洋航路を発見。1524年にはインド総督となる...
バセドー【Karl von Basedow】
[1799〜1854]ドイツの医者。1840年、眼球突出を伴う甲状腺腫を報告。→バセドー病
ば‐せんざん【馬占山】
[1885〜1950]中国の軍人。吉林省の人。字(あざな)は秀芳。馬賊出身。満州事変後、日本と妥協し満州国初代軍政部総長となったが、脱出し反満抗日戦を指導、敗れてソ連領に脱出。1933年上海に帰...
ばそ‐どういつ【馬祖道一】
[709〜788]中国、唐代の禅僧。漢州・什邡(じゅうほう)(四川省)の人。勅号、大寂禅師。慧能門下の南岳懐譲(なんがくえじょう)の法を嗣(つ)ぎ、江西省で禅宗を広めた。弟子に百丈懐海らがいる。
バタイユ【Georges Bataille】
[1897〜1962]フランスの思想家・小説家。無神論の立場から人間の至高の在り方を追求、第二次大戦前後から神秘的傾向を深め現代文明への根元的批判を展開した。著「無神学大全」「眼球譚」など。
バチェラー【John Batchelor】
[1854〜1944]英国の宣教師・アイヌ研究家。明治10年(1877)来日。64年間、アイヌへの伝道と教育・医療に尽くし、言語学・民俗学の研究に業績を残した。著「蝦英和三対辞書」。
ば‐ちえん【馬致遠】
中国、元初の劇作家。大都(北京)の人。号、東籬(とうり)。元曲四大家の一人。王昭君を主題とした雑劇「漢宮秋」で有名。ほかに散曲を集めた「東籬楽府(がふ)」がある。生没年未詳。
バック【Pearl Buck】
[1892〜1973]米国の女流小説家。宣教師の両親のもとに中国で育ち、同国の民衆の生活を深い理解と共感をもって描いた。1938年ノーベル文学賞受賞。代表作「大地」。パール=バック。
バック【Frédéric Back】
[1924〜2013]カナダのアニメーション作家。フランスの生まれ。色鉛筆の柔らかなタッチで原画を描く手法で知られる。1982年に「クラック!」、1988年に「木を植えた男」で、それぞれアカデミ...
バックハウス【Wilhelm Backhaus】
[1884〜1969]ドイツ生まれの、スイスのピアノ奏者。鍵盤の獅子王とよばれ、特にベートーベンの演奏で知られる。
バッターニー【al-Battānī】
[858?〜929]古代イスラムの天文学者。メソポタミア出身。天文観測を行い、太陽の遠地点運動を発見した。アル=バッターニー。
バッハ【Johann Sebastian Bach】
[1685〜1750]ドイツの作曲家・オルガン奏者。200年続いた音楽家の家系の中でもひときわすぐれ、大バッハと称される。ヘンデルと並ぶバロック時代最大の音楽家の一人で、バロック音楽のすべての様...
バッハマン【Ingeborg Bachmann】
[1926〜1973]オーストリアの女性詩人・小説家。第二次大戦後の世界を鋭く描写した。詩集「大熊座の呼びかけ」、短編集「三十歳」「同時通訳」、長編「マリーナ」など。
バツ【Batu】
⇒バトゥ
バトゥ【Bat】
[1207〜1255]キプチャク‐ハン国の祖。チンギス=ハンの孫。父ジュチの死後、所領を継承。1236年から1242年まで西征軍を率いてヨーロッパを脅かし、ロシア全土を平定、ボルガ川下流のサライ...
バトラー【Samuel Butler】
[1612〜1680]英国の詩人。王党派として清教徒を攻撃した風刺詩「ヒューディブラス」で知られる。同姓同名の小説家と区別して、ヒューディブラスのバトラーとよばれる。
バトラー【Samuel Butler】
[1835〜1902]英国の小説家。風刺的ユートピア小説「エレホン」、ビクトリア朝の因習・偽善を批判した自伝的小説「万人の道」など。同姓同名の詩人と区別して、エレホンのバトラーとよばれる。
バドリオ【Pietro Badoglio】
[1871〜1956]イタリアの軍人。1925年から1940年にかけて陸軍参謀総長を務めたが、ムッソリーニと対立して辞任した。ムッソリーニ失脚後の1943年に首相となり、連合国と休戦、対独宣戦。...
バナッハ【Stefan Banach】
[1892〜1945]ポーランドの数学者。関数解析学の創始者の一人で、バナッハ空間とよばれる抽象的な線形空間を定義した。著「線形作用素論」など。バーナハ。
バニヤン【John Bunyan】
[1628〜1688]英国の宗教家・物語作家。熱心な清教徒として活動し、二度の投獄を体験。代表作「天路歴程」は、英国の小説の発展に大きな影響を与えた。バンヤン。
ばば‐きんらち【馬場金埒】
[1751〜1808]江戸後期の狂歌師。銭屋(ぜにや)金埒とも。通称、大坂屋甚兵衛。江戸数寄屋橋の両替屋。天明狂歌四天王の一人。著「金埒狂歌集」「仙台百首」など。
ばば‐こちょう【馬場孤蝶】
[1869〜1940]英文学者・翻訳家・随筆家。高知の生まれ。本名、勝弥。辰猪(たつい)の弟。島崎藤村・戸川秋骨らと親交を結び、「文学界」同人となった。慶大教授。著「明治文壇回顧」など。
ばば‐さじゅうろう【馬場佐十郎】
[1787〜1822]江戸後期の洋学者。長崎の人。号、轂里(こくり)。名は貞由。志筑忠雄に師事。幕府天文方の蕃書和解御用(ばんしょわげごよう)に出仕し、翻訳などに活躍。著「俄羅斯語(おろしやご)...
ばば‐たつい【馬場辰猪】
[1850〜1888]思想家・政治家。高知の生まれ。孤蝶の兄。慶応義塾に学び、英国に留学。帰国後、自由民権思想の紹介・普及に尽力。米国フィラデルフィアで客死。著「天賦人権論」など。
ばば‐つねご【馬場恒吾】
[1875〜1956]ジャーナリスト。岡山の生まれ。「ジャパンタイムズ」「国民新聞」の編集長を歴任。自由主義擁護の論陣を張り、無産政党の結成にも尽力。第二次大戦後、読売新聞社社長。
バビット【Irving Babbitt】
[1865〜1933]米国の批評家。ルソー流の自然主義・ロマン主義に反対し、古典的精神の復活を主張。著「新ラオコーン」「ルソーとロマン主義」など。 [補説]書名別項。→バビット
バフチン【Mikhail Mikhaylovich Bakhtin】
[1895〜1975]ソ連の文芸学者。幅広い知識のもとに近代の文学論の狭隘(きょうあい)さを指摘、言語学・民俗学・歴史学などにも大きな影響を与えた。作「フランソワ=ラブレーの作品と中世・ルネサン...
バブーフ【François Noël Babeuf】
[1760〜1797]フランスの革命家・思想家。私有財産制の廃止を主張し、共産主義的独裁政権の樹立を目ざして総裁政府転覆を企てるが、逮捕・処刑された。その武装蜂起による権力奪取や革命的独裁の理論...