なかつかさ【中務】
平安中期の女流歌人。三十六歌仙の一人。宇多天皇の皇子、中務卿敦慶(あつよし)親王の王女。母は歌人の伊勢。家集に「中務集」がある。生没年未詳。
なかつかさのないし【中務内侍】
鎌倉後期の女流歌人。中務大輔(たいふ)藤原永経の娘。伏見天皇に仕え、和歌に長じた。「中務内侍日記」の作者。生没年未詳。
なかとみ‐の‐かまこ【中臣鎌子】
藤原鎌足(ふじわらのかまたり)の初名。
なかとみ‐の‐かまたり【中臣鎌足】
⇒藤原鎌足(ふじわらのかまたり)
なかにし‐ごどう【中西悟堂】
[1895〜1984]野鳥研究家・天台宗の僧。石川の生まれ。本名、富嗣(とみつぐ)。昭和9年(1934)日本野鳥の会を結成。探鳥会を行い、自然保護運動に尽力した。著「定本野鳥記」など。
なかにし‐ばいか【中西梅花】
[1866〜1898]詩人・小説家。江戸の生まれ。本名、幹男。読売新聞に入社して小説を発表。のち、詩に専念。著「新体梅花詩集」など。
なかにし‐れい【なかにし礼】
[1938〜2020]作詞家・小説家。満州の生まれ。本名、中西礼三。シャンソンの訳詩を手がけた後、歌謡曲の作詞家となり、洗練された大人の感覚で多くのヒット曲を生む。その後小説も執筆し、自伝的な作...
なかのいん‐みちかつ【中院通勝】
[1556〜1610]安土桃山時代の学者・歌人。号、也足軒。法名、素然。和歌を細川幽斎に学び、古今伝授を受けた。源氏物語の注釈書「岷江入楚(みんごうにっそ)」55巻を著した。
なかのいん‐みちむら【中院通村】
[1588〜1653]江戸初期の廷臣・歌人。通勝の子。号、後十輪院。後水尾天皇の譲位事件に関与して江戸に幽閉された。歌集「後十輪院集」など。
なかのおおえ‐の‐おうじ【中大兄皇子】
⇒天智天皇(てんじてんのう)
なかの‐こうじ【中野孝次】
[1925〜2004]独文学者・小説家・評論家。千葉の生まれ。「ブリューゲルへの旅」で日本エッセイストクラブ賞、「麦熟るる日に」で平林たい子文学賞、「ハラスのいた日々」で新田次郎文学賞、「暗殺者...
なかの‐しげはる【中野重治】
[1902〜1979]小説家・詩人・評論家。福井の生まれ。日本プロレタリア芸術連盟に参加。第二次大戦後は新日本文学会の中心的人物として活躍。詩集「中野重治詩集」、小説「歌のわかれ」「むらぎも」、...
なかの‐せいごう【中野正剛】
[1886〜1943]政治家。福岡の生まれ。新聞記者を経て衆議院議員となり、憲政会・立憲民政党に所属。東方会を組織し、民間での全体主義運動を推進。「戦時宰相論」で東条英機首相を批判、さらに内閣打...
なかの‐よしお【中野好夫】
[1903〜1985]英文学者・評論家。愛媛の生まれ。シェークスピア・スウィフト・モームらの研究で知られ、また、ジャーナリズムで健筆を振るった。著「アラビアのロレンス」「蘆花徳冨健次郎」など。
なかの‐りゅうほ【中野柳圃】
⇒志筑忠雄(しづきただお)
なかはし‐とくごろう【中橋徳五郎】
[1861〜1934]実業家・政治家。石川の生まれ。大阪商船社長を退いて政界に入り、政友会に所属。文相・商工相・内相などを歴任。
なかはま‐まんじろう【中浜万次郎】
[1827〜1898]幕末の幕臣。土佐の漁師の息子。天保12年(1841)出漁中に遭難して米船に救われ、米国で教育を受けた。嘉永4年(1851)帰国し、幕府に用いられて翻訳や軍艦操練・英語の教授...
なかはら‐じゅんいち【中原淳一】
[1913〜1983]画家・服飾美術家。香川の生まれ。昭和7年(1932)少女向け雑誌の挿絵画家となり、モダンな雰囲気の美少女画で人気を博す。のち雑誌編集や服飾デザインなども手がけた。
なかはら‐ちかよし【中原親能】
[1143〜1209]鎌倉初期の幕臣。源頼朝に仕え、幕府の創業に参与。政所(まんどころ)公事奉行・京都守護などを歴任。
なかはら‐ちゅうや【中原中也】
[1907〜1937]詩人。山口の生まれ。ランボーやベルレーヌに傾倒し、象徴的手法で生の倦怠(けんたい)と虚無感を歌った。詩集「山羊(やぎ)の歌」「在りし日の歌」など。
なかはら‐ていじろう【中原悌二郎】
[1888〜1921]彫刻家。北海道の生まれ。荻原守衛(おぎわらもりえ)に傾倒し、強い影響を受けた。大正期の彫刻界の代表的存在。作「若きカフカス人」など。
なかはら‐ゆうすけ【中原佑介】
[1931〜2011]美術評論家。兵庫の生まれ。本名、江戸頌昌(えどのぶよし)。理論物理学から美術評論に転じ、戦後の美術評論をリードした。京都精華大学長、水戸芸術館総監督などを歴任。著作に「人間...
なかばやし‐ちくとう【中林竹洞】
[1776〜1853]江戸後期の文人画家。尾張の人。名は成昌。字(あざな)は伯明。瀟洒(しょうしゃ)な山水画を得意とした。著「竹洞画論」など。
なかひら‐こう【中平康】
[1926〜1978]映画監督。東京の生まれ。石原裕次郎主演「狂った果実」で監督デビュー。青春映画やコメディーなど、幅広く手がけた。代表作「牛乳屋フランキー」「美徳のよろめき」「紅の翼」「あいつ...
なかみかど‐てんのう【中御門天皇】
[1702〜1737]第114代天皇。在位1709〜1735。名は慶仁(やすひと)。東山天皇の第5皇子。
なかみがわ‐ひこじろう【中上川彦次郎】
[1854〜1901]実業家。大分の生まれ。福沢諭吉の甥。諭吉に学び、英国へ留学。三井財閥の確立に貢献した。
なか‐みちよ【那珂通世】
[1851〜1908]東洋史学者。岩手の生まれ。東京高師教授。日本・朝鮮・中国・モンゴルの古代史を研究し、日本紀年の誤りを立証した。また、著「支那通史」「成吉思汗実録」など。
なかむら‐あきひこ【中村彰彦】
[1949〜 ]小説家。栃木の生まれ。本名、加藤保栄(やすえい)。幕末・維新に生きる群像に題材をとった小説を執筆する。「二つの山河」で直木賞受賞。他に「明治新選組」「五左衛門坂の敵討(かたきうち...
なかむら‐うたえもん【中村歌右衛門】
歌舞伎俳優。屋号は初世と3世は加賀屋、2世は蛭子(えびす)屋、4世から成駒(なりこま)屋。 (初世)[1714〜1791]金沢の人。医師の子。京坂で敵役の名人となった。 (3世)[1778〜...
なかむら‐かんえもん【中村翫右衛門】
[1901〜1982]歌舞伎俳優。3世。屋号、成駒屋。東京の生まれ。昭和6年(1931)河原崎長十郎と前進座を創立。歌舞伎の革新に尽力した。
なかむら‐かんくろう【中村勘九郎】
⇒中村勘三郎
なかむら‐かんざぶろう【中村勘三郎】
歌舞伎俳優。 (初世)[1598〜1658]山城の人。屋号、柏屋。寛永元年(1624)江戸中橋に江戸で最初の歌舞伎劇場猿若座を創立、のち中村座と改称。以後代々俳優と座元を継承。猿若勘三郎。 ...
なかむら‐がくりょう【中村岳陵】
[1890〜1969]日本画家。静岡の生まれ。本名、恒吉(つねきち)。日本画の伝統的技法に近代西欧絵画の表現を取り入れた独自の画風を確立。大阪四天王寺金堂壁画を制作した。文化勲章受章。
なかむら‐がんじろう【中村鴈治郎】
歌舞伎俳優。屋号、成駒(なりこま)屋。 (初世)[1860〜1935]大阪の生まれ。3世中村翫雀(かんじゃく)の子。京阪の代表的名優で、上方の和事(わごと)・実事(じつごと)をよくした。 (...
なかむら‐きちえもん【中村吉右衛門】
歌舞伎俳優。屋号、播磨(はりま)屋。 (初世)[1886〜1954]東京の生まれ。3世中村歌六の長男。9世市川団十郎の芸風を継承し、立役を得意とした。6世尾上菊五郎と菊吉時代をつくった名優。文...
なかむら‐きちぞう【中村吉蔵】
[1877〜1941]劇作家・演劇学者。島根の生まれ。欧米に留学。帰国後は芸術座に参加し、近代劇運動で活躍した。戯曲「剃刀」「井伊大老の死」「星亨(ほしとおる)」、論文「日本戯曲技巧論」など。
なかむら‐きんのすけ【中村錦之助】
俳優、万屋(よろずや)錦之介の旧芸名。
なかむら‐くさたお【中村草田男】
[1901〜1983]俳人。中国アモイの生まれ。本名、清一郎。「ホトトギス」の同人。新興俳句に対して批判的立場をとった。のち、「万緑」を創刊、主宰。句集「長子」「銀河依然」「美田」など。
なかむら‐けんきち【中村憲吉】
[1889〜1934]歌人。広島の生まれ。伊藤左千夫に師事し、「アララギ」の同人として活躍。歌集「馬鈴薯(ばれいしょ)の花」(島木赤彦と共著)「林泉集」「しがらみ」「軽雷集」など。
なかむら‐しゅうじ【中村修二】
[1954〜 ]科学技術者。愛媛の生まれ。平成5年(1993)、世界で初めて高輝度青色発光ダイオードの開発・製品化に成功。平成26年(2014)、赤崎勇・天野浩とともにノーベル物理学賞受賞。同年...
なかむら‐しんいちろう【中村真一郎】
[1918〜1997]小説家・文芸評論家。東京の生まれ。戦時下に書き綴った「死の影の下に」などで戦後派作家として注目を集める。他に「空中庭園」「四季」四部作など。評伝「頼山陽(らいさんよう)とそ...
なかむら‐じゃくえもん【中村雀右衛門】
[1920〜2012]歌舞伎俳優。4世。屋号、京屋。東京の生まれ。本名、青木清治(きよはる)。女形として活躍し、古典の復活にも尽力した。平成16年(2004)文化勲章受章。人間国宝。
なかむら‐つね【中村彝】
[1887〜1924]洋画家。茨城の生まれ。中村不折・満谷国四郎に師事。レンブラント・ルノワールらの影響を受け、肖像画を多く描いた。作「エロシェンコ氏の像」など。
なかむら‐ていじょ【中村汀女】
[1900〜1988]俳人。熊本の生まれ。本名、破魔子。「ホトトギス」同人として活躍。「風花」を創刊。句集「春雪」「汀女句集」など。
なかむら‐てきさい【中村惕斎】
[1629〜1702]江戸前期の儒学者。京都の人。名は之欽。朱子学を奉じ、伊藤仁斎と並び称された。著「四書示蒙句解」「訓蒙図彙」など。
なかむら‐とみじゅうろう【中村富十郎】
[1719〜1786]歌舞伎俳優。初世。屋号、天王寺屋。大坂の人。初世芳沢あやめの三男。名女形として活躍し、「京鹿子娘道成寺」の創演者として知られる。
なかむら‐なかぞう【中村仲蔵】
[1736〜1790]歌舞伎俳優。初世。屋号、栄屋。江戸の人。俳名、秀鶴。忠臣蔵五段目の定九郎をはじめとして、実悪(じつあく)の演技に長じ、すぐれた型を残した。舞踊志賀山流の中興の祖。
なかむら‐のぼる【中村登】
[1913〜1981]映画監督。東京の生まれ。記録映画で映画監督としてのスタートを切ったのち、さまざまなジャンルの作品を発表。特に「塩狩峠」「智恵子抄」などの文芸作品の映画化で高い評価を得た。代...
なかむら‐はくよう【中村白葉】
[1890〜1974]ロシア文学者。兵庫の生まれ。本名、長三郎。東京外語学校卒。在学中に「露西亜文学」を創刊。ドストエフスキーの「罪と罰」を初めて原典から翻訳したほか、チェーホフやトルストイなど...
なかむら‐はじめ【中村元】
[1912〜1999]インド哲学者・仏教学者。島根の生まれ。昭和32年(1957)「初期ヴェーダーンタ哲学史」で学士院恩賜賞受賞。昭和48年(1973)、東洋思想の研究機関である東方学院を創立。...