あびきょうかん【阿鼻叫喚】
仏教のことばで、阿鼻地獄(無間地獄)と叫喚地獄のこと。
地獄に落ちた
亡者がさまざまな責め苦にあい、堪えられずに泣きわめく意から、
悲惨でむごたらしいようすのたとえ。
- 注記
- 阿鼻叫喚地獄の略。阿鼻地獄と叫喚地獄は、ともに仏教でいう八大地獄のひとつ。「阿鼻」は、梵語の音訳で、絶え間なく。阿鼻地獄は、堪えがたい苦痛が絶え間なく襲うので、無間地獄ともいう。「叫喚」は、泣き叫ぶこと。叫喚地獄は、苦しみに堪えかねて、喚き叫ぶことからいわれる。
- 表記
- 「叫喚」を「狂喚」と書きちがえない。
- 用例
- 天上皇帝の御教みおしえに悖もとるものは、一旦命終めいしゅうの時に及んで、たちまち阿鼻叫喚あびきょうかんの地獄に堕おち…。〈芥川龍之介・邪宗門〉
- 類語
- 叫喚地獄