[動ラ五(四)]
  1. 手の中におさめる。手に持つ。

    1. ㋐手でつかむ。握って持つ。「その本を—・って見てください」「胸ぐらを—・る」

    2. ㋑手に持って動かす。手を働かして何かをする。操作する。「舵 (かじ) を—・る」

    3. ㋒(手を持って)教えたり、導いたりする。「手—・り、足—・りして教える」

    4. ㋓(捕る)動物などをつかまえる。「セミを—・る」「銛 (もり) で魚を—・る」

    5. ㋔(「(作物を)穫る」「(動物を)獲る」とも書く)生きていくための、えものや作物を手に入れる。収穫したり、捕獲したりする。「山菜を—・って暮らしを立てる」

    1. ㋐(執る)(手で)うまく動かして、事を行う。処理する。「事務を—・る」「指揮を—・る」

    2. ㋑そのような考え方を固く守る。主張する。「中立の立場を—・る」「強硬態度を—・る」

  1. いろいろな方法自分のものにする。

    1. 相手からもらってこちらのものにする。手に入れる。「金メダルを—・る」「休みを—・る」「免許を—・る」「税金を—・られる」

    2. ㋑(その家の者として)人を迎え入れる。「内弟子を—・る」「婿を—・る」

    3. 注文して届けさせる。いつもそこで買う。「お昼にすしを—・る」「酒はあの店から—・る」「新聞を—・る」

    4. ㋓(「盗る」とも書く)人のものを無理自分のものとする。盗む。奪う。「力ずくで財布を—・る」「現金だけ—・られた」

    5. ㋔召し上げる。没収する。「官職を—・る」

    6. 自分のものにすることを前もって約束する。予約する。「芝居の席を—・る」

    7. ㋖身にひきうける。「責任を—・る」「正直だという評判を—・る」「父の跡を—・る」

    8. ㋗客として相手をする。「芸者が客を—・る」

    9. ㋘(年などを)かさねる。「年を—・る」

    1. ㋐身につけているものをはずしたり、ぬいだりする。(一時的に)からだから離す。「帽子を—・る」「ネクタイを—・る」

    2. ㋑(そこにある不用のもの、余分なものを)他へ移す。除き去る。そこからいなくする。「しみを—・る」「痛みを—・る薬」「かたきを—・る」

    1. 同類のものを広く、多く集める。採取する。「木の実を—・って食糧にする」

    2. ㋑(採る)多くの中から選んで、決める。採用したり、選択したりする。「気に入った品を—・る」「新卒者を—・る」

    3. ㋒(採る)選んで、どちらかのほうに決める。「可否を—・る」「南に針路を—・る」

    4. ㋓(採る)みちびき入れる。「明かりを—・る窓」

    5. ㋔(「摂る」とも書く)必要なものとして体内にとり入れる。「栄養を—・る」

    6. 材料原料からとり出したり、作り出したりする。製する。「豆から油を—・る」

  1. 形をまねて作る。(記して)形を残す。「入れ歯の型を—・る」「不動姿勢を—・る」「メモを—・る」

  1. 数量をはかる。数える。調べる。「統計を—・る」「寸法を—・る」「タイムを—・る」「脈を—・る」

    1. ㋐(人の心をおしはかったり、要点を押さえたりして)うまくことをすすめる。「ごきげんを—・る」「バランスを—・る」

    2. 調子を合わせる。「拍子を—・る」「歩調を—・れ」

  1. そのことのために場所時間などを必要とする。「手間を—・る仕事」「大きすぎて場所を—・る」

  1. 10 そのように解釈したり、判断したりする。解する。「文字どおりに—・る」「悪く—・る」

  1. 11 相撲やカルタなどの遊びをする。「一番—・ろうか」「花札を—・る」

  1. 12

    1. ㋐(撮る)写真を写す。「記念写真を—・る」

    2. ㋑写しを作る。「コピーを—・る」

    3. ㋒(「録る」とも書く)録画する。録音する。「フルハイビジョンカメラで—・る」

  1. 13 (「…にとって」の形で)…としては。…の立場からは。「彼の死は経済界に—・って大きな痛手だ」

[可能]とれる
[動ラ下二]とれる」の文語形。

出典:青空文庫

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