1. 五十音図ワ行の第1音。両唇の間を狭めて発する半母音[w]と母音[a]とから成る音節。[wa]

  1. 平仮名「わ」は「和」の草体から。片仮名「ワ」は「和」の旁 (つくり) 「口」の草体から。

[補説]片仮名「ワ」の字源は、一説に、「輪」を示す記号「〇」を二筆で書いたものからともいわれる。

山裾・川・海岸などの曲がりくねった所。「かわわ(川曲)」「うらわ(浦回)」など、多く複合語として用いられる。

「あはれしや野焼にもれし峰の—のむら草がくれ雉 (きぎす) 鳴くなり」〈永久百首〉

  1. 仲よくすること。互いに相手を大切にし、協力し合う関係にあること。「人の—」「家族の—」

  1. 仲直りすること。争いをやめること。「—を結ぶ」「—を講じる」

  1. 調和のとれていること。

    1. 「大いに身体の—を傷 (やぶ) り」〈中村訳・西国立志編

  1. ある数や式に他の数や式を加えて得られた結果の数や式。⇔

日本人の住む国。古代中国から日本を呼んだ名。
(和)日本のものであること。日本的であること。「—の技術」「—に親しむ」
  1. 曲げて円形にしたもの。また、円い輪郭。環 (かん) 。「鳥が—を描いて飛ぶ」「指—」「花—」

  1. 軸について回転し、車を進めるための円形の具。車輪。「荷車の—が外れる」

  1. 桶 (おけ) などのたが。「桶の—がゆるむ」

  1. 人のつながりを1に見立てていう語。「友情の—を広げる」

  1. 紋所の名。円形を図案化したもの。

[代]一人称の人代名詞。われ。わたくし。
    1. 「大野山霧立ち渡る—が嘆くおきその風に霧立ち渡る」〈・七九九〉

[接頭]名詞・代名詞に付く。
  1. 親愛の情を表す。「—おとこ」「—ぎみ」

    1. 「保つべき様を知らねば、—主の為には益 (かひ) あらじ」〈今昔・二七・四〇〉

  1. 軽んじあなどる気持ちを表す。

    1. 「—法師めが、人あなづりして」〈著聞集・一〇〉

[感]

  1. 驚いたときに発する声。わあ。わっ。「—、すてき」

  1. 大声で泣いたり笑ったりするときに発する声。

    1. 小児の泣く声の—と聞こゆ」〈名語記

[終助]活用語の終止形に付く。
  1. 主に女性が用いて、軽い決意主張を表す。「もう忘れてしまった—」「わたしも出席する—」

  1. 驚き・感動詠嘆の意を表す。「まあ、きれいだ—」「水は出ない—、電気は止まる—で、さんざんな目にあった」「散る—散る—、まるで木の葉の乱舞だ」

    1. 「年がよると物事苦労になる—」〈滑・浮世床・初〉

[補説]係助詞「は」から生まれたもので、中世後期以降、終助詞として固定した。「わ」の表記は、中世末期ごろから。
[間助]《上代語》副詞助詞に付く。念を押したり、相手へ呼びかけたりする意を表す。
  • 「うるはしき十羽 (とば) の松原童 (わらは) どもいざ—出で見む」〈・三三四六〉
[接尾]助数詞。鳥やウサギを数えるのに用いる。「一—」「二—」
[補説]上に来る数詞の末音によって、「ば(三羽)」または「ぱ(六羽・八羽)」ともなる。
[接尾]助数詞。
  1. 束ねたものを数えるのに用いる。「まき五—」「ホウレンソウ一—」

  1. 射芸で、矢を数えるのに用いる。矢51筋を1把とする。

[補説]上に来る数詞の末音によって、「ば(三把)」または「ぱ(六把・八把)」ともなる。
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2023年12月