いしもり‐のぶお【石森延男】
[1897〜1987]児童文学作家。北海道の生まれ。中学校の教師などを経て国定教科書の編集に従事。「コタンの口笛」で第1回未明文学賞受賞。他に「咲きだす少年群」「バンのみやげ話」「桐の花」など。
イシャウッド【Christopher Isherwood】
[1904〜1986]英国の小説家。1929年から4年間オーデンとともにドイツに滞在、のちロンドンに戻る。ナチス台頭直前のヨーロッパを描いた記録文学風の作品で知られる。オーデンとの合作の詩劇もあ...
いしん‐の‐さんけつ【維新の三傑】
明治維新に功績の大きかった、西郷隆盛・大久保利通・木戸孝允(きどたかよし)の三人。
いじゅういん‐しずか【伊集院静】
[1950〜2023]小説家。山口の生まれ。本名、西山忠来(ただき)。広告代理店でヒットCMを連発し、脚光を浴びる。流行歌の作詞家としても活躍。「受け月」で直木賞受賞。他に「乳房」「機関車先生」...
イスカンデル【Fazil' Abdulovich Iskander】
[1929〜2016]ジョージア(グルジア)のアブハジア自治共和国の小説家・詩人。アブハジアを舞台とした作品をロシア語で書いた。小説「チェゲムのサンドロおじさん」で知られる。
いすずより‐ひめ【五十鈴依媛】
事代主神(ことしろぬしのみこと)の娘。綏靖(すいぜい)天皇の皇后。
イ‐スンマン【李承晩】
[1875〜1965]韓国の政治家。韓国併合後、米国で朝鮮独立運動に従事。1948年、大韓民国の成立とともに初代大統領に就任。第3代まで務める。反共親米政策を推進、1960年の選挙で4選したが、...
いず‐の‐ちょうはち【伊豆の長八】
⇒入江長八
いずみ‐きょうか【泉鏡花】
[1873〜1939]小説家・劇作家。石川の生まれ。本名、鏡太郎。尾崎紅葉の門下。繊細優雅な文体で、独特の浪漫的境地を開いた。小説「夜行巡査」「照葉(てりは)狂言」「高野聖(こうやひじり)」「婦...
いずみ‐しきぶ【和泉式部】
平安中期の女流歌人。大江雅致(おおえのまさむね)の娘。和泉守橘道貞と結婚し、小式部内侍を産んだ。為尊(ためたか)親王、次いでその弟の敦道(あつみち)親王と恋をし、上東門院彰子に仕えてのち藤原保昌...
いずみ‐せいじ【和泉聖治】
[1946〜 ]映画監督。神奈川の生まれ。ピンク映画を数多く監督したのち、「オン・ザ・ロード」で一般映画に進出。テレビドラマ「相棒」シリーズの監督も手がけ、ヒットを飛ばした。代表作「さらば愛(い...
いずも‐の‐おくに【出雲阿国】
阿国歌舞伎の創始者。出雲大社の巫女(みこ)の出身で、慶長(1596〜1615)ころ京に上り歌舞伎踊りを始めたという。歌舞伎の祖とされる。生没年未詳。 [補説]書名別項。→出雲の阿国
いせ【伊勢】
平安前期の女流歌人。三十六歌仙の一人。伊勢守藤原継蔭(ふじわらのつぐかげ)の娘。中務(なかつかさ)の母。宇多天皇の寵愛(ちょうあい)を受けて皇子を産み、伊勢の御(ご)と呼ばれた。生没年未詳。家集...
いせ‐さだたけ【伊勢貞丈】
[1718〜1784]江戸中期の有職(ゆうそく)故実家。江戸の人。号、安斎。家学の伊勢流を継ぎ、武家の故実を大成。著「貞丈雑記」「安斎随筆」など。いせていじょう。
いせ‐さだちか【伊勢貞親】
[1417〜1473]室町中期の武将・有職(ゆうそく)家。室町幕府の政所執事。伊勢守。将軍足利義政の信任を得て権勢を獲得、斯波氏の家督相続問題に干渉。また将軍継嗣問題では義視排斥に失敗、近江(お...
いせ‐ながうじ【伊勢長氏】
北条早雲の前名。
いせ‐の‐おおすけ【伊勢大輔】
平安中期の女流歌人。大中臣輔親(おおなかとみのすけちか)の娘。上東門院彰子に仕え、紫式部・和泉式部らと親交を結んだ。生没年未詳。家集に「伊勢大輔集」がある。いせのたゆう。
いせ‐の‐さぶろう【伊勢三郎】
[?〜1186]源義経四天王の一人。伊勢の人。名は義盛。守護の首藤経俊を討とうとして敗れ、鈴鹿(すずか)で自刃。 歌舞伎狂言「莩源氏陸奥日記(みばえげんじみちのくにっき)」の通称。
いせ‐の‐たゆう【伊勢大輔】
⇒いせのおおすけ
い‐そう【韋荘】
[836ころ〜910]中国、晩唐の詩人。字(あざな)は端己(たんき)。杜陵(陝西省西安)の人。温庭筠(おんていいん)とともに唐五代の詞を代表する。唐末の都の荒廃をうたった長編の七言古詩「秦婦吟」...
イソクラテス【Isokratēs】
[前436〜前338]古代ギリシャ、アテネの弁論家・修辞家。ゴルギアスに修辞学を学び、多くの子弟を教育。ペルシア征討を主張した「パネギュリコス(オリンピア大祭演説)」などで、散文の完成者とされる。
いそざき‐あらた【磯崎新】
[1931〜2022]建築家。大分の生まれ。丹下健三に師事。ポストモダン建築をリードするとともに、評論活動などを展開。大分県立大分図書館・ロサンゼルス現代美術館などを手がけた。平成31年(201...
いそざき‐けんいちろう【磯崎憲一郎】
[1965〜 ]小説家。千葉の生まれ。平成19年(2007)「肝心の子供」で文芸賞を受賞し作家デビュー。商社に勤務するかたわら執筆活動を続け、「終(つい)の住処(すみか)」で芥川賞受賞。他に「眼...
いそだ‐こういち【磯田光一】
[1931〜1987]文芸評論家。神奈川の生まれ。「三島由紀夫論」で評論家デビュー。日本の近代文学を中心に幅広い評論活動を展開し、「思想としての東京」で芸術選奨文部大臣賞受賞。「鹿鳴館の系譜」で...
いそだ‐こりゅうさい【礒田湖竜斎】
江戸中期の浮世絵師。名は正勝。鈴木春信の影響を受け、美人画にすぐれた。晩年は肉筆画を主とし、法橋(ほっきょう)に叙せられた。生没年未詳。
イソップ【Æsop/Aesop】
「イソップ物語」の作者とされる前6世紀ごろのギリシャ人。解放奴隷ともいわれるが、生涯についてはほとんど不明。アイソポスの英語名。
いそのかみ‐の‐まろ【石上麻呂】
[640〜717]古代、天武〜元明天皇のころの廷臣。左大臣。石上氏の祖。旧氏姓は物部連(もののべのむらじ)。万葉集に歌1首が残る。
いそのかみ‐の‐やかつぐ【石上宅嗣】
[729〜781]奈良後期の廷臣。大納言。万葉集に和歌、唐大和上東征伝・経国集に詩がのっている。私宅に多数の漢籍を置いて亭(うんてい)と称し、好学の人たちに開放したのが、日本の図書館の最初とい...
いそ‐の‐ぜんじ【磯禅師】
静御前(しずかごぜん)の母。鎌倉前期の舞楽の名手と伝えられる。生没年未詳。
いたがき‐せいしろう【板垣征四郎】
[1885〜1948]陸軍大将。岩手の生まれ。関東軍参謀として満州事変に主導的役割を果たした。近衛・平沼内閣の陸相、支那派遣軍総参謀長を歴任。第二次大戦後、極東国際軍事裁判でA級戦犯とされ、絞首刑。
いたがき‐たいすけ【板垣退助】
[1837〜1919]政治家。土佐の人。愛国公党を結成し民撰議院設立建白書を提出、また土佐に立志社をつくり自由民権運動を指導した。明治14年(1881)自由党を結成。同31年、大隈重信と日本最...
いたくら‐かつしげ【板倉勝重】
[1545〜1624]江戸初期の幕臣。徳川家康に信任され、駿府(すんぷ)町奉行・江戸町奉行・関東郡代・京都町奉行・京都所司代を歴任。
いたくら‐しげまさ【板倉重昌】
[1588〜1638]江戸初期の武将。勝重の子。三河深溝(ふこうず)領主。大坂冬の陣の講和使者。のち、島原天草一揆の鎮定に向かったが成功せず、城を強攻して戦死。
いたくら‐しげむね【板倉重宗】
[1586〜1657]江戸初期の幕臣。勝重の長男。父のあと京都所司代に就き、在職35年。厳正な裁判で知られる。
いたみ‐じゅうぞう【伊丹十三】
[1933〜1997]俳優・映画監督。京都の生まれ。本名、池内義弘。父は映画監督の伊丹万作。演技派の俳優として特異な存在だったが、昭和59年(1984)の「お葬式」で映画監督に転向。ラーメン店を...
いたみ‐まんさく【伊丹万作】
[1900〜1946]映画監督・脚本家。愛媛の生まれ。皮肉と諧謔(かいぎゃく)に富んだ作風で、時代劇に近代的感覚をもたらした。代表作は「国士無双」「赤西蠣太」など。脚本に「無法松の一生」。
いたや‐はざん【板谷波山】
[1872〜1963]陶芸家。茨城の生まれ。名は嘉七。薄肉彫りの文様とうるおいのある彩磁で知られる。文化勲章受章。
いだいけ【韋提希】
《(梵)Vaidehīの音写》古代インド、マガダ国王頻婆娑羅(びんばしゃら)の后(きさき)。子の阿闍世(あじゃせ)王に幽閉された時に釈迦に「観無量寿経」を説かれたとされる。韋提希夫人(いだいけぶ...
いちえん【一円】
無住道暁(むじゅうどうぎょう)の号。
いちかわ‐うたえもん【市川右太衛門】
[1907〜1999]俳優。香川の生まれ。本名、浅井善之助(ぜんのすけ)。歌舞伎界から映画界へ転身。主に時代劇映画で主役として活躍し、「旗本退屈男」のシリーズなどで人気を博した。
いちかわ‐えんおう【市川猿翁】
⇒市川猿之助
いちかわ‐えんのすけ【市川猿之助】
歌舞伎俳優。屋号、沢瀉屋(おもだかや)。 (2世)[1888〜1963]東京の生まれ。晩年に猿翁を名乗る。劇団春秋座を結成、劇界の改新を図った。また多くの新舞踊・新歌舞伎を上演。 (3世)[...
いちかわ‐かんさい【市河寛斎】
[1749〜1820]江戸後期の儒学者・漢詩人。上野(こうずけ)の人。名は世寧、字(あざな)は子静。昌平坂学問所に学び、富山藩校教授となった。著「日本詩紀」「全唐詩逸」など。
いちかわ‐こん【市川崑】
[1915〜2008]映画監督。三重の生まれ。本名、儀一。初期は都会的な風俗喜劇で人気を集めたが、その後次々と文芸作品や記録映画を手がける。代表作は三島由紀夫の「金閣寺」を映画化した「炎上」、幸...
いちかわ‐さおう【市川沙央】
[1979〜 ]小説家。令和5年(2023)「ハンチバック」で文学界新人賞を受賞して小説家デビュー。同作で第169回芥川賞を受賞した。
いちかわ‐さだんじ【市川左団次】
歌舞伎俳優。屋号、高島屋。 (初世)[1842〜1904]大阪の生まれ。9世市川団十郎・5世尾上菊五郎とともに明治の三名優と称された。のち明治座の座主。 (2世)[1880〜1940]初世の...
いちかわ‐しょういち【市川正一】
[1892〜1945]社会主義運動家。山口の生まれ。日本共産党創立に参加。機関紙「赤旗」の編集責任者。昭和4年(1929)四・一六事件で検挙され、獄死。著「日本共産党闘争小史」など。
いちかわ‐じゅん【市川準】
[1948〜2008]映画監督。東京の生まれ。本名、純。多くのテレビコマーシャルを手がけたのち、「BU・SU」で劇場映画を初監督。代表作は、吉本ばなな原作「つぐみ」、若い漫画家たちの群像劇「トキ...
いちかわ‐だんじゅうろう【市川団十郎】
歌舞伎俳優。屋号、成田屋。江戸歌舞伎を代表する名門で、荒事(あらごと)の宗家。 (初世)[1660〜1704]一説では14歳で荒事を創始したといわれ、三升屋兵庫の名で脚本も書いた。俳優生島半六...
いちかわ‐だんぞう【市川団蔵】
歌舞伎俳優。屋号、三河屋。 (初世)[1684〜1740]初世市川団十郎の門弟で、荒事(あらごと)・敵役(かたきやく)の名優。 (4世)[1745〜1808]京都の人。3世の養子。早変わりで...