《形容詞「こ(濃)し」の連用形「こく」の名詞化か。また、漢語「酷」からか》
1 濃厚なうまみ。「―のある酒」
2 内容に深い趣があること。「話に―がない」
昔からのことわざや格言など。古人の詩文の一節。また、古い俳句。
1 きざむこと。彫りつけること。
2 (「剋」とも書く)旧暦の時間および時刻の単位。漏刻の漏壺 (ろうこ) 内の箭 (や) に刻んである目盛りから。
㋐一昼夜を48等分した一。一時 (いっとき) の4分の1。
㋑一昼夜を100等分した一。1日を一二時 (とき) とし、日の長短によって差はあるが、平均して一時は8刻3分の1にあたる。春分・秋分は昼夜各50刻、冬至は昼40刻で夜60刻、夏至はその逆となる。
㋒一昼夜を12等分した一。午前零時を子 (ね) の刻とし、以下順次丑 (うし) の刻、寅 (とら) の刻のように十二支に配する。時 (とき) ともいう。1刻をさらに四つに分け、丑三つなどといい、また、1刻を上・中・下に3分し、寅の上刻、寅の下刻などの言い方をする。不定時法の場合は、昼(夜明けから日暮れまで)と夜(日暮れから夜明けまで)をそれぞれ6等分する。季節によって昼夜の長さが異なるため、昼と夜で一刻の長さが異なる。
人がその種子などを食用にする農作物。米・麦・豆など。
1 白鳥 (はくちょう) の別名。
2 弓の的の中央にある黒い星。ほし。
[動カ五(四)]
1 からだの外に放出する。ひる。「屁 (へ) を―・く」
2 ものを言うのを卑しみ、また乱暴にいう語。ほざく。ぬかす。「うそを―・くな」
3 何かをする意の俗な言い方。「ああ、びっくら―・いた」「とんずら―・く」「いい年―・いて」
4 得意になって行う意の俗な言い方。「調子―・いて失敗する」
⇒せき
李良枝 (イヤンジ) の長編私小説。昭和60年(1985)刊行。
出典:青空文庫
・・・りながら、彼れは黙りこくって歩いた。大きな汚い風呂敷包と一緒に、・・・ 有島武郎「カインの末裔」
・・・思い切り頭を前の方にこくりとやった。「うん……八っちゃんがこうや・・・ 有島武郎「碁石を呑んだ八っちゃん」
・・・内のはいっこくで、気が強いんでござんすから、知らない方をこうやっ・・・ 泉鏡花「海異記」